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そう言ってアズサは窓を開ける仕草をした。すると触れていないのに窓はひとりでに開いた。
これも魔術だ。基本的に自分の持ち物は自我が無い限り、または余程魔力が低くない限りは所有者は好きなように操れる。勿論、物の用途を理解した上で、物がどう動くか知っていればだ。
だから、窓を開けることが出来たり窓硝子を修復したりできる。逆を言えば窓ガラスをアズサの気分次第で粉砕できるという事だ。しかし、限度はある。物によるが、出来る事と出来ないことがある。それも所有者の魔力次第だが。
アズサは
「あはは！やっぱりばれちゃったかー」
「ばれちゃったならしょうがないよねー」
ステラとルーン。そう言われた妖は笑った後、窓から堂々と船の中に入って来た。ステラとルーンは手を繋ぎながら笑みを崩さずに宙を飛んでいる。それが当たり前と言っているようだった。誠はめまいがして来た。
アズサと身長はあまり変わらない。しかし圧倒的にステラとルーンは人間の子供の様だった。笑顔を絶やさず、年相応というよりかは身長相応の話し方であったり佇まいだ。
二人の身体の周りに、光が渦巻いている。まるで、笑顔を具現化したような眩い光。
「久しいわね。二人共」
アズサは腕を組みながら口の端をあげて言った。一見再開を懐かしむかのような温和な言葉に思えたが、笑っているのは口元だけで目は据わっている。
綺麗な瑠璃色の目は、影を増していてお世辞にも仲がいいとは言い難いものだった。
誠は我に返って何も言わずにいつもの位置であるアズサの横についた。
「アズサちゃんはあんまり変わってないねー」
「そうそう！相変わらず堅物そうな顔だよね！まあ、堅物なんだけどね！」
「あははは！ほんとその通りで面白いー！」
「アズサちゃん面白いー！」
ステラとルーンは笑った。シャララ、と二人の髪飾りは音を立てる。
笑みは崩していないし、目も据わっていないのにステラとルーンはさも当然と言ったように毒を吐いた。アズサはそんな二人を見て溜息を吐く。本当はアズサは舌打ちがしたかったが、またなんか言われる気がしてやめたのだ。相手にしたくない。と言った表情だ。
「数百年前はお世話になったわね。前は殺しそこねたけど、今此処でとどめを刺してあげる」
続く
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赤菊 藍(プロフ) - 逸さん» お褒めの言葉ありがとうございます。自分でもこの作品は好きなので感想を頂けてとても嬉しいです。三人称という今まであまり書いた事の無い小説ですので如何せん更新が遅くなるとは思いますができる限り頑張ります。最後まで読んで貰えるように頑張りますね。 (2019年5月6日 8時) (
レス) id: cc808b1622 (このIDを非表示/違反報告)
逸(プロフ) - 一瞬で世界観に浸ってしまいました、とても面白いです。好きなジャンルですし、赤菊さんが書く細かい描写や構成のおかげで読みやすかったです。更新楽しみに待っています。無理をなさらずに頑張って下さい、応援しています。 (2019年5月6日 5時) (携帯から) (レス) id: 44c32ecf85 (このIDを非表示/違反報告)
赤菊 藍(プロフ) - 旅人さん» そのような評価を頂き光栄です。この作品は色々と自分の可能性を広げようと試行錯誤しているものなので、やや更新頻度が遅めですが温かく見守っていただければ幸いです。素敵な感想ありがとうございました。 (2019年1月13日 8時) (レス) id: cc808b1622 (このIDを非表示/違反報告)
旅人(プロフ) - 描写がはっきりとしていてとても読みやすいです…！更新楽しみにしています！ (2019年1月13日 1時) (レス) id: ec476d732d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：赤菊 藍 | 作成日時：2019年1月1日 1時
