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与謝野女医はお日様 ページ13




ちゃんと撮りました。ばっちり映りました。

スマホを見た。綺麗に『一瞬』だけを映し出している。我ながらナイスだと思った。



「はあー格好いい……!」


何度も画像を見て溜息を吐く。これは一生のお宝画像だ。どんなことがあっても絶対に消すものか。例え命に代えても消すものか。
そっと私は今撮った画像を『超ウルトラスーパー大切な画像集』にしまいこんだ。




「あんな男が格好いいのかい?変わってるねェ」

「うわっびっくりした……」



いつの間にか私のスマホの画面を見ながら与謝野女医が立っていた。艶やかな髪に飾られているなんとも羨ましい蝶の髪飾りが月光を反射している。
口ではこう言っているが与謝野女医の目元は笑っていて、優しいお姉ちゃんみたいだ。

バックに蝶が舞っているようなくらい整った顔に見惚れながら、「違います」と弁解する。確かに太宰さんは好きだが、最推しではないのだ。



「私の好きな人は、別の人です」

「へえ。青春ってやつだね」



へへ、と私が笑うと与謝野女医が頭を優しく撫でてくれた。撫でられたことの無い頭に触れてくれたことが嬉しくて。目を細めながら口を緩める。
手袋越しでも伝わってくるぬくもりが心地良い。


乱歩さんのネクタルの様に甘くドロドロした熱意そのものではなく、与謝野女医のは優しく伝わってくる、お日様みたいな温かい優しさ。この感覚を、もっと早く知っておきたかった。そう思いながら与謝野女医に頭を預ける。与謝野女医は優しいから、私の頭を撫で続けてくれる。私が喜んでいるって、知っているから。




「さ、行くよ」

「あ、はい」



与謝野女医はそう言って立ち上がった。後姿ですらも凛としていて格好いい彼女は、まさに花。見惚れていてはだめだと私も急いで立ち上がり、与謝野女医の後へ続いた。



余談だが、与謝野女医薬品の匂いに交じってめちゃめちゃ良い匂いがした。薬品が良い感じに引き立ててる女医感が凄い。

これはファンが多くつくはずだ。即刻女でも惚れてしまう。


人を脅かす趣味をしているが、彼女の美しさと強さ、優しさ。そして確かな異能が与謝野晶子を創り上げている。



私の家が無いので誰かの家に泊めていただきたい→←__与謝野女医の解体コースをどうぞ



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作者名:赤菊 藍 | 作成日時:2017年9月19日 17時

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