17．封印 ページ20
円堂「こっちじゃなかったのかー…、もっと上の階か？」
A「守？何してるの？」
名前を呼ばれ、振り返るとAがいた
円堂「えっと、そのっ、」
ガラっ、
豪炎寺「お前達っ…」
病室から出て来た豪炎寺は、二人を見て少し驚いている
彼は後ろ手でドアを閉めた後、眉を上げ口を開いた
豪炎寺「何しに来た」
円堂「えっと、そのっ．．．」
と、オドオドしている円堂の目線の先には、
"豪炎寺夕香"と書いてある表札
円堂「入院してるのって…」
豪炎寺「妹だ…。全く、お前には呆れるよ。入れよ」
円堂「お、おう」
豪炎寺「木之本も来い、」
A「えっ、う、うん」
二人が中に入ると、ベッドには一人の女の子が眠っていた
豪炎寺「夕香っていうんだ、もうずっと眠り続けている。話すよ…、でなきゃお前、帰らないだろ」
豪炎寺は妹の夕香に何があったか、ゆっくり話し始めた
夕香は決勝を見るのを凄く楽しみにしていたこと
スタジアムに向かう時にトラックに引かれてしまったこと．．．
豪炎寺「俺がサッカーをやっていなければ夕香はこんな目に会わないですんだ。夕香がこんなに苦しんでいるのに、俺だけのうのうとサッカーをする訳にはいかない……。だからっ、俺は夕香が目覚めるまで、やらないと誓ったんだ」
彼の手は、膝の上で強く握られていた
豪炎寺「なのに、何故なんだろうな…。自分でも分からないんだ、自然と体が動いてた…」
A「…豪炎寺」
円堂「…辛いこと言わせちゃったな、俺、もうお前のこと無理に誘わないよ。ごめんな」
豪炎寺「サッカー部、あれからどうなった、」
円堂「…あぁ。みんなお前のシュートのおかげでやる気出てるよ。ありがとな」
円堂はそのまま病室を出て行った
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作者名：メロン娘 | 作成日時：2020年5月15日 21時
