21話 ページ24
kr side
体育館倉庫の前に1人、ぽつりと立ち尽くす。
…本当は、2人のこといじめてなんかないさ。
なんて、届かぬ真実を虚空に投げつける。
先輩達にいじめられてるのを偶然見て、カギを取りに行って戻ってきたら古也がいて…
当然怪しまれた俺は主犯だと偽っただけ。
あの先輩に、恩があるし。
…なんでこんなことしたんだろ
彼に、振り向いてほしかったからかな
彼と、話したかったからかな。
いや、こんなんじゃ振り向かないよ
俺が犯人だと勘違いしているんだから。
…とりあえず、明日、謝りに行こう
今の俺に残っているのは、虚しさと悲しさだけだった。
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br side
翌日。
凛が謝ってきた。
ただ一言だけ、『ごめん』と。
…そりゃ、許さない、って訳じゃ無いけど…
すると、悠くんと新くんが僕らに駆け寄ってきた。
「…桐山くん、あの時本当のこと言えなくて、ごめんなさい！」
「俺たちが何も言えなかったから、桐山くんが…」
「いいんだよ」
…え？
悠くんと新くんが凛に謝る。
なんで？だってこいつが______
「明石くん、桐山くんは悪く無いんです…嘘をついて、庇っていたんです」
「…あの時言えなかったんですけど、桐山くんは酷いこと一切してないんです、全部、先輩が…」
…そう、なの？
頭がこんがらがって上手く働かない。
けれど、僕が勘違いをしていたことだけは分かった。
じゃあ、謝るのは僕の方じゃん
「凛、ごめんね」
「…こっちもごめん」
なんだか不思議だ。
かつて休み時間にこんなに謝ることがあっただろうか。
というか…咄嗟に庇うなんて、結構かっこいいところあるじゃん。
僕がそんなことされたら惚れちゃうね。
「じゃあ、僕たちは移動教室なので、失礼します」
「敬語じゃなくていいのに、僕たち同級生でしょ？」
いつまでも敬語な悠くんに言う。
「え、あ、そう…だね？」
「そうそうwじゃ、また」
笑顔で手を振って別れる。
「凛、なんで庇ったりなんかしたの？」
「それは…」
凛が少し目を逸らした後、
「お前に、振り向いてほしかったから」
と、呟いた。
「、え」
「授業始まるぞ、教室戻ろ」
「あ、うん…」
どうしたものか。
まさか、凛にそんなこと言われるなんて。
でも、なんだろう
胸がドキドキする。
心なしか頬も熱いし…
もしかして僕…
想いに気付くまで時間は掛からなかった。
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あおみどり(プロフ) - mimiさん» コメントありがとうございます！感想嬉しい限りです！！励みにして活動させていただきます…！ (2021年1月3日 23時) (
レス) id: 65d1867b2a (このIDを非表示/違反報告)
mimi - 今更で申し訳ない(T-T)完結おめでとうございます！見始めた時は登輝くんの弱々しい、可愛い声を想像していたのですが、だんだん元気になってのちに、kntkさんの声にしか聞こえなくなりました（笑）凄く感動しました！ありがとう (2021年1月3日 22時) (レス) id: f51bfd6fbd (このIDを非表示/違反報告)
あおみどり(プロフ) - アイさん» コメントありがとうございます！ありがたい言葉嬉しい限りです〜！！番外編、絶対書こうと思ってるので、是非また見てください！ (2020年11月13日 23時) (レス) id: 65d1867b2a (このIDを非表示/違反報告)
アイ - 完結おめでとうございます！！更新されるたびに飛んできてました(笑)shさんとknさんの距離が回を進めるごとにどんどん縮まっていって、尾も白かったです！更新お疲れ様でした！番外編…！可能ならば書いていただきたい！長文失礼しました。 (2020年11月13日 17時) (レス) id: d956bb37b9 (このIDを非表示/違反報告)
あおみどり(プロフ) - アイさん» コメントありがとうございます！今後もあおみどりの小説にお付き合いいただけると嬉しいです！更新頑張ります〜！ (2020年10月22日 20時) (レス) id: 65d1867b2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あおみどり | 作成日時：2020年10月14日 7時
