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寄り道 ページ36

彼らにつれられ、どこに遊びに行くのかと思っていた




個性の強いこの集団が向かったのは、
そこは意外にも普通の場所だった







『皆さんでも、ファミレスなんて来たりするんですね』






「いやいや、Aちゃん俺らのことなんだと思ってるの?」



言葉とは似合わない満面の笑みを浮かべて隣からこちらを見る蜂楽先輩





「練習後は、食わねーと腹減っておかしくなりそうだしな。結構来るぞ」



と、向かいの席から優しく教えてくれる國神先輩





「まー玲王はちょっと似合わないけどねー。貧民に紛れてるってかんじ」


机にだらーんと顔をつけて今にも寝そうな凪先輩
凪先輩ってなんかこう…なにもかもが不思議な人


「うるせーよー。ってかそんなとこで寝るなよ凪」


今にも寝てしまいそうな凪先輩を小突いている御影先輩




『でも御影先輩は、育ちがとても良さそうですよね』






と、その私の言葉に目を丸くする一同







「A、もしかして玲王のことあんまり知らないのか?」



潔先輩が私に問いかける



この様子だと、なんか有名な人であったのだろうか





「玲王はなんとお坊っちゃまだからね♪成績優秀スポーツ万能♪大手企業の自慢の息子っってかんじだよ♪」




スペック高いよね〜と、頭の後ろに腕を組んで言う蜂楽先輩の言葉を聞いて、驚いた





『そ、そうだったんですか!すみませんっ、何も知らなくて』










それからご飯を食べながら、先輩達の話を聞いたり
自分のことも聞かれたりして時間を忘れて話し尽くした

楽しい時間ほどあっという間とはこのことを言うんだろう





私にとって
初めての、知り合いとの放課後の寄り道

嫌なことを忘れて、今はただただこの楽しい空間に溶け込むのだった







「よーし!じゃあ仲良くなった記念に、これから俺のこと"廻先輩"って呼んでみよ♪」






場が和んで来た頃、そんな蜂楽先輩からの提案により一層もりあがりをみせるのであった

素顔→←靴箱



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作者名:あれん | 作成日時:2023年7月17日 23時

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