レンズ越しの景色【糸師凛】 (ページ25)

今日:10 hit、昨日:95 hit、合計:10,477 hit

自己紹介ページ25

「この間の後輩ちゃんじゃん！」

私のことを指差して、驚いたように言う

『あの…この間はすみませんでしたっ。せっかく気にかけていただいたのに…』

「全然気にしてないよ♪それより今日もこんなとこでどうしたの？？」

「彼氏のこと待ってるらしいぞ」

青い先輩と同じようなことを聞かれては、また話題が勘違いへと1歩進み出す

「え！誰かの彼女ちゃん？誰々〜」

ニヤニヤと怪しく笑う黄色い瞳
それをじっと聞く青い瞳

『あの…それは違くて。彼氏…じゃないんです』

目の前の二人が顔を見合わせて頭にはてなを浮かべる

『最近少し仲良くなれて、もっと知りたくて練習見に来ることを許してもらったんです。なので、特になんていう関係ではないんですっ…』

目をそらしてそう言うと、青い瞳が優しく声を発する

「なんだそういうことだったのか。ごめんな、勘違いして」

「でも部活見に来るのに許可なんて取る必要なくない？そんなのと仲良くなったの？？」

黄色い先輩が不思議そうに問いかける

ちなみに誰よ⸺と。

少し言うのをためらった後、か細い声でポツリとつぶやく

『い、糸師くん………です』

その場が静かになる
二人を見るとキョトンとしている様子
目をぱちくりさせてお互い顔を見合わせたあと、またこちらを見て確認のため繰り返す

「糸師って……………凛のことか？？」

『そ、そうです…』

「ほぇ〜、珍しいね。まさかあの凛ちゃんが女の子連れてくるなんて♪明日は嵐でも来るのかにゃ〜？」

楽しそうに笑う黄色い先輩と、よほど驚いたようでなかなか言葉が出てこない青い先輩

やっぱり糸師くんはそういうイメージではないんだと、つくづく思う

「でも凛ちゃんが連れてくるって、後輩ちゃん実はただ者では無い感じ〜？？そーいえば名前は？？」

今更ながら自己紹介してないことに気づかされハッとし、背筋を伸ばす

『ぁ、すみません遅れました。桜江Aといいます。よろしくおねがいします』

少し会釈をして自己紹介すると、またしても彼らは顔を見合わせて驚いたような顔をする

そんなに自己紹介で驚かれるようなことがあっただろうか…