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ろくなもの ページ5

「Aに用があって来たんだけど。」




「だからって部屋に
無断侵入しないでくれますか!?」









で、用ってなんですか、と
団長を睨めば相変わらずムカつく笑顔を返される。




ぐっと握りしめた拳を
必死で収めながら団長の言葉を待つ。









「これあげる。」




「...、なんですかこれ。」









コロンとベッドの上に転がされた和柄の筒。




綺麗だとは思うけれど、
正体が分からない限り、
団長から貰うものはろくなものじゃない。









「名前忘れた。」





「...。」









ろくなものじゃないの決定。




自信満々で
渡してきたくせして名前を忘れるなよ。









「良いから中覗いてみなよ。」




「...中?」









和柄の筒を手にとって見てみれば、
確かに覗く用らしい小さな穴がある。




此処から覗けってことだろうか。









「...覗いた途端目がつぶれたりしませんよね。」




「あはは、殺しちゃうぞ。」




「いや何で私が殺されるんですか。」









俺がAに危害を加えるわけないダロ、と。




...、どの口が言う。




“殺しちゃうぞ”の時点で
もう危害加えようとしてるから。









「これまでまともなもの
くれなかったのは貴方でしょうが!」









今までにプレゼントと言ってくれたのは
どこぞの星で拾ってきた気持ち悪い虫だったり、
悪臭を放つ植物だったり...、




本当にろくなものがなかったのだ。









「危害は加えてないよ。」




「物理的にはですけどね!!」









精神的にはめちゃくちゃ虐められてますけどね。

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作者名:征波 | 作成日時:2017年12月29日 23時

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