赤葦ペット

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ペット01 ページ2

『人前で泣くくらいなら死んだ方がマシ』

A「はい。これ。

これで最後かしら？わざわざ会って渡さなきゃならない大事な日用品は」

・・・
机の上に彼の忘れ物だという「とってもよく落ちるメガネ拭き」を滑らして渡す。

A「彼女は元気？来月出産なんでしょう」

タバコの灰を落としながら無表情で彼に問う。
私も随分嫌な女になったものだ。

（人3）「う、うん」

別に私は悪くない

（人3）「き、きみのほうはどう？」

A「どうって？」

何もかも貴方が悪いの

（人3）「そ、その。生活とか…」

A「別に。何も変わらないわ。泣いて暮らしてるように見える？」

溜息と混ざった紫煙が吐き出されると同時にタバコを灰皿に押し付ける。このつまらなく中身のない会話に句点を打つように伝票を取る。

（人3）「あ、いいよ。」

A「いいわよ。そのかわり出産祝い上げるつもりは無いから。」

人一人との関係が変わったくらいで私の生活が変わる分けないじゃない。

毎日頭痛がする

『あーあの二人別れたんだ……』

『そりゃあそうだろ。自分より学歴も給料もおまけに身長まで高い女なんてな』

この世に平等な社会なんて

ない。