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猟師は入り口に座る赤頭巾と狼を見比べ、手にしていた猟銃を一瞬で構えて狼に向けた。
狼がその銃口を見つめた瞬間、激しい音と衝撃が狼をふっ飛ばしていた。

放心状態でいる赤頭巾の横を猟師が抜けて、倒れているお婆さんの死体に歩み寄る。
その死体を検め、完全に死んでしまっているのを確認して振り返った猟師は赤頭巾に尋ねた。

「おい、もう入れ替わった後なのか?」

意味がわからなくて顔を上げた赤頭巾を見て、猟師は面倒くさそうなため息を一つ。

「そうだよな。段取りが違うもんな。
 死体は小娘の分があるはずで、婆さんの死体を用意するのは後のはずだもんな」

「な……何を、言って……」

「だから、計画だよ。魔女とオレの。
婆さんの体を乗っ取った魔女が、今度はお嬢ちゃんの体を乗っ取るはずだったの。
 狼がお嬢ちゃんを殺して、その狼をオレが殺して山分けにする予定だったんだが……
 狼が魔女を殺したみたいだ」

 猟師はやれやれと首を振ると、魔女の死体の傍に倒れていた狼の体を蹴り付けた。
 腹から血を流して動かない狼はごろりと赤頭巾のすぐ傍に転がった。


「悪名高い割に頭の悪そうな狼なんぞ、簡単に騙して使えると思ったんだが、とんだ計算違いだ」

「じゃあ……狼さんは……」

「さて。仲間割れかもしれんし、狼らしくもなく正義感を出しちゃったのかもな。
どちらにせよ、お嬢ちゃんには死んでもらう。
計画が駄目になった以上、この家の中の金目のものだけでも頂いてかにゃあならんからな。」

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- 素晴らしい!こんなに良い作品久々に見ました…! (2015年4月27日 21時) (レス) id: dc01c76827 (このIDを非表示/違反報告)
雪丹@ゆきたん(プロフ) - ちょ…マジ泣いた。なんかこういうのって好きですw良かった。これからも頑張ってください。 (2014年10月22日 19時) (レス) id: 3257c510b7 (このIDを非表示/違反報告)
えりんご(プロフ) - 文章をかく能力がとても高いですね。何歳なのか知りませんが不登校だと思えません。占ツクで稀に見るすばらしい作品だと思います(*^^*) これからも頑張ってください♪ (2014年10月21日 23時) (レス) id: 6e46533c57 (このIDを非表示/違反報告)
あまがさ - 凄い文章力だと思います!参考にさせて頂きます。 (2014年10月21日 16時) (レス) id: d9eef5a95a (このIDを非表示/違反報告)
- 狼さんいい人ですね・・・( ノД`)シクシク… (2014年10月20日 17時) (レス) id: a53ed1be91 (このIDを非表示/違反報告)

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作成日時:2013年4月9日 12時

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