309:センラside ページ44
思ってもない邪魔が入ってなんでいいよって言うねん!と拗ねていたけどAちゃんが楽しそうにしてるしもうええか、とデートを諦めて自分も楽しむことに決めた。
うるさいくらいにはしゃぐ三人を見て、Aちゃんは声を上げて笑った。
「これ、センラに似合いそう」
「そう?じゃあ買おうかな」
メンズもレディースも取り揃えた店で見つけたロゴが少し入った黒の大きめのフード付きパーカー。
俺の身体に合わせて似合うね、と笑うAちゃんが可愛いくて服を受け取るとショップのお兄さんから声が掛かった。
「レディースで同じのありますよ」
これ、と持ってきてくれた2着は同じ黒とグレーだった。
彼女さんはこっちが似合いそうですねとグレーのパーカーを渡されてAちゃんは照れたようにはにかんだ。
「色違いだね」
「似合っとるよ」
俺達の会話を微笑ましい顔で聞いてくれていたお兄さんも頷いている。
「涼しくなってきましたし、今の時期羽織るのに丁度いいと思いますよ」
確かに、と頷いてこれ下さいと渡すと小さく袖が引かれる。
「いいの?」
「俺とお揃い、してくれへんの?嫌?」
「や、じゃない、、です」
段々俯いて声の小さくなったAちゃんに笑うと拗ねたみたいな瞳を向けられたけど、引いた袖は離されなかった。
「これ着て出たいんやけど、ええ?」
「今?」
「そう。デート諦めた俺へのご褒美。と、Aちゃんちょっと寒いんやろ」
「、、、気付いてたの?」
「丁度ええやん。着てくれへん?」
自分でも甘えた目をしてるんやろうなとわかる瞳で顔を覗き込めば、少し顔を赤くして頷いてくれた。
今着ていきたいと言うと快くタグを切って渡してくれたお兄さんに着せられて二人でショップを出ると、三人はげんなりした顔をしている。
「遂にそこまで、、、」
「熱い。熱すぎる、、、」
「嫌ってちゃんと断らなあかんで」
ほんまは嫌やったやろ?!と迫るこいつらにAちゃんは恥ずかしいのかフードを被って必死に首を横に振るからその仕草が可愛すぎて早く帰りたい衝動に駆られたけど我慢した俺を褒めて欲しい。
「お腹減ったからご飯、ご飯行こう」
「おー、そういえばそんな時間か」
「何食べたい?どこ行く?」
照れ隠しなのか話を上手く誤魔化したAちゃんにテレビで見たというお店を次々挙げるもんだから、中々お昼ご飯の場所は決まらへんかった。
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あーりん(プロフ) - 神楽さん» ありがとうございます( ; _ ; )元の甘々要素に戻したくてふんだんに取り入れていこうとしてます、、、w甘々になってるのか?と自問自答付きですがw (2019年9月21日 2時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
神楽 - 甘々ですな...。最高ですな.........。(語彙力低下中) (2019年9月20日 16時) (レス) id: 007b538a5a (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - 無為さん» コメントありがとうございます!離れてさせていた分これからは暫くは穏やかな2人をお送りできればなーと思っております!更新頑張ります! (2019年9月16日 2時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - 珠菜さん» ありがとうございますー!長いだけのお話なのに一気読みありがとうございます、お疲れ様でした( ; _ ; )これからも楽しんで頂けるように頑張ります! (2019年9月16日 2時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - ゆうさん» 楽しみにして頂けていて嬉しいです( ; _ ; )!ハラハラしてもらうのが目的だったのでゆう様にそう言って頂けて、伝わってるんだなと安心出来ました!w (2019年9月16日 2時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あーりん | 作成日時:2019年8月28日 7時