306:センラside ページ41
昼は暖かいものの夜になると肌寒い日が増えたらしい。
窓を開けていると寒そうにするAちゃんはころもがえ?ってやつをするらしく寝室のクローゼットの服を出しては片付け、出しては片付けを繰り返している。
俺はそれをベットで横になりながら眺めるだけ。
(可愛い)
さむいさむいとしゃがんで引き出しを開けて薄手のカーディガンを羽織りながら秋冬用の洋服を探す小さな背中を見て抱き締めてしまいたくなる。
あんなに小さかったかな。
「センラの服も買わないとね」
「え?」
やばい。
可愛いなぁとしか思ってなくて突然話しかけられて理解できひんかった。
「夏服しか無いから、冬用の洋服増やさないとね」
「そやね」
まぁ、俺はどんな格好でもええんやけど、、、。
でもいつもと違う格好をすれば、Aちゃんは似合うねと目を輝かせてくれるし嬉しい。
冬服なぁ、と思いながら背中を見つめて思い出した。
「Aちゃん、買い物行こか」
「うん?いつ?」
「んー、体調はもうええんやんな?」
しゃがんだままのAちゃんはベットで寝転ぶ俺を見上げてうんうんと沢山頷いている。
やめて、上目遣い可愛い。
「じゃあ明日行く?」
「ほんと?!」
もう元気になったらしいAちゃんは家にばかりいるのが飽きていたらしく行きたい!と珍しく大きな声を出して喜んでいる。
「じゃあ今日は早めに寝て明日行こか」
「行く!嬉しい!」
やったー!と明日着る服を探すねとまた俺に背中を向けてさっきよりも楽しそうにクローゼットを漁っていた。
「さかたんにお願いしなきゃね」
「あー、それなぁ」
もうええんよね、と言うとまた向けられる視線。
「もういいってどういうこと?」
「坂田の魔法無くても、もう外に出れるんよ」
「、、、そうなの?」
Aちゃんの言葉にうん、と返事をしながら身体を起こすとなんで?と心底不思議そうな顔でベットサイドまで来てくれた。
「妖力は戻ったって坂田が」
「、、、なんで?」
ベットに手をついて首を傾げるAちゃんの腕を引いて膝の上に乗せても、なんでと繰り返すだけでいつもみたいに恥ずかしがったりしてない。
(なんでって、、、)
「満月の夜、好きにさせてくれたから?」
「え、、、」
わざとらしく耳元で小さく囁けば意味をわかったらしく途端に恥ずかしがるAちゃんは思惑通りでニヤついてしまう。
だからデートしようねと抱き締めながら言うと、小さく頷いて擦り寄られた胸元は温かかった。
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あーりん(プロフ) - 神楽さん» ありがとうございます( ; _ ; )元の甘々要素に戻したくてふんだんに取り入れていこうとしてます、、、w甘々になってるのか?と自問自答付きですがw (2019年9月21日 2時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
神楽 - 甘々ですな...。最高ですな.........。(語彙力低下中) (2019年9月20日 16時) (レス) id: 007b538a5a (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - 無為さん» コメントありがとうございます!離れてさせていた分これからは暫くは穏やかな2人をお送りできればなーと思っております!更新頑張ります! (2019年9月16日 2時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - 珠菜さん» ありがとうございますー!長いだけのお話なのに一気読みありがとうございます、お疲れ様でした( ; _ ; )これからも楽しんで頂けるように頑張ります! (2019年9月16日 2時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - ゆうさん» 楽しみにして頂けていて嬉しいです( ; _ ; )!ハラハラしてもらうのが目的だったのでゆう様にそう言って頂けて、伝わってるんだなと安心出来ました!w (2019年9月16日 2時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あーりん | 作成日時:2019年8月28日 7時