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扉の向こうで何か割れた音がする。
思い通りにいかないと私や物に当たり散らす高瀬さんはあれからリビングでまた物に当たっているようだった。
初めてこの家に来た時はあんなに綺麗だったリビングは随分と荒れた部屋になったなぁと居ない間に覗き見たリビングを見て思った。
耳を塞いでも、この音には慣れない。
男の人が本気で暴れるというのがこんなに怖いことだったのかとこの家に来てから痛感する。
(Aちゃん)
怖い時は布団を頭から被って何度も私を呼ぶ彼の声を思い出し続けた。
そうすれば何とかなる気がした。
(痛い...)
いつもより酷く殴られた身体と頬が痛い。
口の端は殴られるようになった時から紫になって唇は切れたまま。
手首は何度も抜けようと試みる擦り切れた傷からうっすらと血が滲んでいた。
見えないけど、背中も痛い。
こんな顔と身体で彼に会えるんだろうか。
何て言うんだろう。
大丈夫と言う彼の言葉を信じている筈なのに。
迎えに来てくれると信じてる、、、だけど、長い間閉じ込められて心も身体も疲れ切ってしまった私は希望が持てなくなっていた。
もう死んでしまおうか。
何も食べなければ今の身体なら直ぐにその日が訪れる様な気がする。
そうすれば痛みだって無くなるし何より会えない辛さを感じなくて済む。
もやが掛かった思考でぼんやりと真っ赤な手首を眺めていると暴れていた筈のリビングから急に物音がしなくなった。
代わりに高瀬さんの怒鳴るような声が聞こえる。
声をあんなに上げ続けながらリビングにいる事がなかったから、いつもと違う事だらけで怖い。
ヤケになった高瀬さんに何かされたらどうしよう。
殺される方がまだ良い。
また無理矢理押し倒されてしまえば痛みで上手く動かない身体はきっと好きな様にされてしまう。
(センラの好きにさせてもらうね)
ふと柔らかい彼の声が蘇る。
ベッドの中で意地悪く笑った彼はそう言った癖に私が嫌がる事なんてしなかった。
また何かが割れた音がする。
今度は怒声も止まず物が壊れる音と低く鳴り響く聞きたくない声に泣きたくなった。
震える指先で隠していたブレスレットを探した。
千切られてしまったそれはもう使えないけど、彼が守ってくれているようで手にすると気持ちが幾らか落ち着いていく。
早く終われ、早く終われとブレスレットを握ったまま布団を被っていると寝室のドアが荒々しく開いた。
(なに...？)
真っ暗な中、来ないでと強く目を閉じていた私の視界は一気に明るくなった。
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あーりん(プロフ) - 神楽さん» ありがとうございます( ; _ ; )元の甘々要素に戻したくてふんだんに取り入れていこうとしてます、、、w甘々になってるのか？と自問自答付きですがw (2019年9月21日 2時) (
レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
神楽 - 甘々ですな...。最高ですな.........。（語彙力低下中） (2019年9月20日 16時) (レス) id: 007b538a5a (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - 無為さん» コメントありがとうございます！離れてさせていた分これからは暫くは穏やかな2人をお送りできればなーと思っております！更新頑張ります！ (2019年9月16日 2時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - 珠菜さん» ありがとうございますー！長いだけのお話なのに一気読みありがとうございます、お疲れ様でした( ; _ ; )これからも楽しんで頂けるように頑張ります！ (2019年9月16日 2時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - ゆうさん» 楽しみにして頂けていて嬉しいです( ; _ ; )！ハラハラしてもらうのが目的だったのでゆう様にそう言って頂けて、伝わってるんだなと安心出来ました！w (2019年9月16日 2時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あーりん | 作成日時：2019年8月28日 7時
