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「Aちゃん。その、、、怒ってない?」

「何で怒るの?」

気まずそうな小さい声に閉じていた目を開いて彼を見ると不安そうな顔をしていた。

(なんで?)

なんの事だろうと思い返してみても怒る事なんてされてない。

「いや、、、痛くなかったかなって」

「、、、全然?」

「ほんま?」

「うん」

ほんまに?と迫ってくる彼の顔が近くて逃げれない。
もう一度うん、と頷くとはあぁ、良かったぁとため息をつきながら首筋に顔が埋められた。
首筋に当たる髪がくすぐったい。

「怒ることされたっけ?」

「これ」

顔を上げた彼は私の肩口に触れた。
何だろうと視線を肩に向けると薄く歯型が見えた。

「あ、、、」

思い出した。
気を抜けば寝てしまいそうな私に繋がったまま、まだだめと言う声と少しの痛み。
視線を彼に戻すと本当に申し訳なさそうな顔をしていてどんな顔をしていいのかわからない。
とりあえず思い出してしまって恥ずかしい。
もうこの話題に触れたくない。

「ほんまごめん」

「も、いいから」

「昨日は色々我慢出来ひんかったんよ」

その話やめてと両手で顔を覆う。
弱い力でその手が剥がされそうになるのを必死に抵抗した。

「怒ってない?」

「怒ってないから、大丈夫」

「もうセンラとはせーへんとか言わん?」

「言わない言わない」

覆っていた手を剥がされてしまったからもうこの話やめようと口を開きかけると唇が重なった。

「っ、、んっ、」

朝からするキスじゃない、と頭は混乱するけど昨日の熱がまだ身体に残っているのかすぐに身体が溶かされてしまう。
絡め取られる柔らかい感触に意識を奪われていると片脚が持ち上げられた事に驚いて慌てて彼の背中を叩いた。

「センラっ」

「可愛い顔するから我慢出来ひん」

さっきの不安そうな顔は嘘だったのかと思うほどまた身体を割って真上に来た私を見下ろす艶っぽくなった瞳。
口では抵抗するものの身体が本気で拒んでいないのは、自分の身体だからよく分かってる。
身体中に降るキスに絆されそうになってしまう。

「昨日いっぱいした、から、って、ちょっとセンラ!」

「でもAちゃんの身体、嫌っていうてないもん」

(バレてる、、、)

欲しい。と甘い声で気持ちまで溶かされて、無駄な抵抗はやめようと身体を開いた時に、突然大きな音がした。

「センラ!お前ちゃんとこれ使って、、、すいませんでしたぁ!!!」

「坂田、、、殺す」

低く呟かれた声は相当怒りを含んだ声だった。

303:うしさせ→←301:センラside



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あーりん(プロフ) - 神楽さん» ありがとうございます( ; _ ; )元の甘々要素に戻したくてふんだんに取り入れていこうとしてます、、、w甘々になってるのか?と自問自答付きですがw (2019年9月21日 2時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
神楽 - 甘々ですな...。最高ですな.........。(語彙力低下中) (2019年9月20日 16時) (レス) id: 007b538a5a (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - 無為さん» コメントありがとうございます!離れてさせていた分これからは暫くは穏やかな2人をお送りできればなーと思っております!更新頑張ります! (2019年9月16日 2時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - 珠菜さん» ありがとうございますー!長いだけのお話なのに一気読みありがとうございます、お疲れ様でした( ; _ ; )これからも楽しんで頂けるように頑張ります! (2019年9月16日 2時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - ゆうさん» 楽しみにして頂けていて嬉しいです( ; _ ; )!ハラハラしてもらうのが目的だったのでゆう様にそう言って頂けて、伝わってるんだなと安心出来ました!w (2019年9月16日 2時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あーりん | 作成日時:2019年8月28日 7時

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