272:センラside ページ7
「早く行くぞ」
あれからすぐに坂田を呼び出してみんなを集めてこれを渡せとそらるさんが渡してくれた数珠を分けた。
歪んだ空間の中に入れたもののみんな上手く魔法や身体を動かせず部屋に辿り着くまでに苦労した。
「あかん、飛ばれへん、、、！」
箒に乗れと坂田の言葉に従ったけど、強い磁場が邪魔をするのか二人乗ると全く動けなくなってしまった。
「先に行け、とにかく早く引き離せ」
俺は走るしかないからと天月くん、坂田とうらたんに言うと頷いて背中は小さくなっていった。
(早く、早く、、、！)
あまり動かなかった心臓は階を上がる事にどくんどくんと大きく拍動していく。
それはAちゃんが近い事を表していて身体が熱くなる。
殺す。
俺からAちゃんを奪ったあいつをどうやって殺してやろう。
楽に逝かせるなんて事は絶対にしてやらない。
もつれた足で鼓動の強くなった部屋の玄関を開けると荒れ果てたリビングが見えた。
割れたガラスを踏む音と部屋の奥から聞こえる怒鳴り声が耳障りだった。
「向こうだよ」
ぐちゃぐちゃになったリビングのソファに優雅に脚を組んで座っていたそらるさんが指さした部屋からは明かりが漏れていた。
「思う存分やったらいいよ」
頑張ってね、と立てかけていた大きな鎌を肩に掛けて小さく笑う。
声のする方に向かうと坂田の魔法で吹き飛ばされたあいつが見えた。
その子から離れろと、化け物と喚き散らすこいつを見て身体は今までに無い位熱くなった。
視線をすぐにベッドに移すと坂田の隣にはAちゃんが力なく横たわっていた。
俺を見ると大きな目は驚いて見開かれたけど、そこには思いもよらない姿が見えて言葉を失う。
あんなにふっくらとして可愛かった頬は痩せていて、小さかった身体はより小さくなっていた。
何度もキスをした唇は切れて口の端は色を変えていて殴られていたというそらるさんの言葉が頭を過ぎる。
白い肌には俺が付けた痕じゃなく大きな痣がそこら中に見えて痛々しい。
一番驚いたのは手首の手錠の下に見えた傷だった。
細い手首は真っ赤に染まってそれが血だとわかるのに時間は掛からなかった。
有り得ない。
こんなに傷つけるなんて。
一度でこんな傷がつくはずが無い。
涙を流すAちゃんの顔を見て身体中を巡る血が沸いたように熱い。
許さない。
手のひらに力を入れて伸びた爪をそいつに振り上げた時、身体は動かなくなった。
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あーりん(プロフ) - 神楽さん» ありがとうございます( ; _ ; )元の甘々要素に戻したくてふんだんに取り入れていこうとしてます、、、w甘々になってるのか？と自問自答付きですがw (2019年9月21日 2時) (
レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
神楽 - 甘々ですな...。最高ですな.........。（語彙力低下中） (2019年9月20日 16時) (レス) id: 007b538a5a (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - 無為さん» コメントありがとうございます！離れてさせていた分これからは暫くは穏やかな2人をお送りできればなーと思っております！更新頑張ります！ (2019年9月16日 2時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - 珠菜さん» ありがとうございますー！長いだけのお話なのに一気読みありがとうございます、お疲れ様でした( ; _ ; )これからも楽しんで頂けるように頑張ります！ (2019年9月16日 2時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - ゆうさん» 楽しみにして頂けていて嬉しいです( ; _ ; )！ハラハラしてもらうのが目的だったのでゆう様にそう言って頂けて、伝わってるんだなと安心出来ました！w (2019年9月16日 2時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あーりん | 作成日時：2019年8月28日 7時
