240:うしさせ ページ19
「おはよう」
「、、、おはよ」
朝起きると、いつもなら事後の朝は素肌な筈なのにきちんと服を着せられていた。
布団もしっかり肩までかけられている。
あれ?と寝惚けながらも不思議に思っていると彼の指が鼻を摘む。
「鼻声やなぁ」
「、、、そう?」
これやめて、と彼の手を掴むと確かに鼻が詰まっている気がする。
おはようと発しただけなのに良く気が付いたなぁと彼に感心する。
「今日はゆっくり寝てようね」
熱は無いし、と冷たい手のひらがおでこに触れてそのまま頭を撫でる。
(眠い、、、)
目が覚めたばかりだからかゆっくりと撫でる手と彼の穏やかな声にうとうととまた眠気が襲ってきた。
起こす気の無いらしい彼はそのまま布団を掛け直してくれた。
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センラside
「絶対余計なことすんなよ」
「...よ、余計な事ってなに?」
「安心しろ。俺が見張ってる」
Aちゃんが二度寝をしている間、式場とやらの予約時間の前に家に寄ってもらった。
Aちゃんに化けたほうが絶対に相手をおびき寄せる事が出来ると昨日譲らなかった坂田に念を押す。
俺と同じ意見なうらたんは、坂田のローブの裾を今からしっかり掴んでいた。
「Aちゃんは?」
「寝てる」
あら、昨日遅かったのねと志麻くんはわざとらしく笑い、体調は大丈夫なん?ときちんと心配もしてくれた。
「熱は無いしいっぱい寝たら大丈夫やろ」
「ならいいけど、、、お前、明日の事ちゃんとAちゃんに言ってあるんだろうな?」
「だから、行かへんって」
俺の返事にはぁ?とうらたんは顔を歪ませる。
「別に今年くらいええやん」
「みんなお前を心配してるんだぞ」
「顔くらい出してあげたら?ずっと居れって言うてるわけちゃうんやし」
あんな怪我したんやから、と続ける坂田に強く断る言葉が出てこない。
俺が拾ってもらう原因になった怪我を、妖怪仲間はみんな心配してるぞと三人は口々に言う。
「わかった、考えとくから」
とりあえずAちゃんの件が先だと三人を出るように促すと俺の返事に納得しないまま渋々向かってくれた。
行きたくない。
ましてや風邪気味なAちゃんを置いていくなんて。
今日の事次第でまた気に病んでしまうかもしれないのに。
寝室に向かって未だに一定の呼吸を繰り返すAちゃんの隣で寝顔を眺める。
昨日の甘えてわがままを言う姿は可愛かったなぁとAちゃんの顔にかかる髪を払う。
たとえ少しの時間でも離れたくない。
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あーりん(プロフ) - めめさん» ありがとうございます!甘い二人が書きたい私としては早くこのシリアスを抜けたい所ですがしばしお付き合い下さい!笑 (2019年8月27日 21時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
めめ(プロフ) - 更新お疲れさまです(^^)いつも楽しみに待ってます!シリアス展開なのに先が気になってワクワクしていますw更新頑張ってください! (2019年8月27日 16時) (レス) id: 08075475cf (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - 怜莉さん» 楽しみに待って頂いているのがすごく嬉しいです!( ;__; )コメント頂けてとても励みになりますー!少しシリアスなお話が続きますがお付き合いよろしくお願いします! (2019年8月27日 15時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
怜莉(プロフ) - 更新ありがとうございます!いつも楽しみで、今か今かと待っていますw個人的になんで話数毎の評価ができないんだーーーーー!!!と嘆いていますwこの先の夢主ちゃんとセンラさんがどうなるか気になります!更新頑張って下さい!待ってます! (2019年8月27日 10時) (レス) id: 0408e10153 (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - ぷーさん» ありがとうございますー!これからもよろしくお願いします!あと、課題頑張って下さい!!w (2019年8月27日 1時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あーりん | 作成日時:2019年8月8日 4時