妖たちと暮らす家６

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その後も気になったお店があればふらっと立ち寄ってするウィンドウショッピングが楽しかった。

「なんであかんのー？」

「買ってもらい過ぎだから！あれは大丈夫！」

これ似合うと思う、これ絶対可愛いよとすぐに何でも買ってくれようとするのを止めるのが少し疲れたけど...。

「センラの服は？」

「んー？ちょっと見ようかなぁ」

上の階に行くエスカレーターで振り向くと彼の顔が思った以上に近いところにあって焦った。

「あ、残念」

もうちょっとでちゅーできたのに、と一段近付かれ背中に彼の体温を感じて外だということを忘れてしまいそうになる。

「外だから」

「怒られるのわかってるからせーへんもん」

さっきされたんだけどなぁ？と文句を留めているとエスカレーターを降りてすぐまた繋がれる手。
あそこ見ていい？と言われたお店はいつも彼の服を買っていた店だった。

(、、、似合う)

これどう思う？とフィッティングルームから出てきた彼がかっこよくて黙ってしまう。
細身の黒スキニーは彼のスタイルの良さを際立たせていた。

「似合うと思う。かっこいい」

「買おー」

何なら着替えたいしこれ履いて行こうかなとショップのお兄さんと楽し気に話している。
Tシャツも何枚か購入して店を出た。

「これうらたんに似合いそう」

「わかるわー、これ志麻くん」

「あ、それもわかる」

歩きながら目に入った店頭の服に、これ誰々に似合いそうと言い合いくすくすと笑う。
みんなとも買い物行かなきゃねと言うと絶対にうるさいから嫌だと彼は少し顔を引き攣らせた。

「疲れてない？大丈夫？」

一通りお店を見終わるとカフェ探す？と彼が私の顔を覗き込んだ。
私の買い物の荷物も持ってくれているし、疲れてるだろうなと頷く。

「疲れてないけど、カフェ行きたいな」

「ほんじゃ探そ」

休憩やね、とまた蒸し暑いビルの外に出た。
パンケーキが食べたいと言うと、この間うらたんが行ってみたいって言うてたとこ近くやでと彼は連れて行ってくれた。

「おいしい！」

「ほんま？うらたんに感謝やね」

テレビで人気が出たらしい、豊富な種類のパンケーキから選ぶのに時間がかかって迷っていたらもう一つを結局また彼が頼んでくれた。

「あとはどこ行きたい？」

「えー、あとはね、、、」

どうしようかなぁ、とお皿から顔を上げると優しい彼の視線が絡まって言葉に詰まる。
特に行きたいところはもう無かったけど、楽しくてまだ帰りたくなかったから必死に行き先を考えた。

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