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そろそろお開きに、という声にほっとする。
とりあえず終わったとそそくさと自分の鞄を置いていた始めに女性陣で固まっていた席へと戻る。

「やっとだね」

「二次会あるって言ってたけど」

未だに気分の悪そうな同僚は私もう無理!と顔を歪めている。

「うわ、やっぱり」

当然、というように告げられた二次会の場所に先輩も見えないように顔を歪めている。

(帰りたい)

いつも以上に行きたくない。
帰って疲れたと彼に甘えて甘やかして欲しい。
上司の気持ち悪いセクハラの感触を彼に触れてもらって早く消し去ってしまいたい。

頭の中は帰ることと彼の事でいっぱいな私はもう会社で文句を言われようと帰ろうと心に決めている。
そっと帰ってしまおうかなと周りを伺っていると高瀬さんと目が合ってしまった。

はっきり断ったし別に悪いことをした訳ではないけど気まずさから目を逸らしてしまう。

とりあえず出ましょうという言葉に皆靴を履き始め、どうやって帰ろうか思案していると後ろから来た上司に捕まってしまった。

「まだ飲めるだろ?」

「いえ、私はもう随分酔ってしまったので」

すみません、と断るも掴まれた肩をうまく交わすことが出来ない。
店の外にでると先輩や同僚も同様に捕まっていてお互い目配せをした。

「課長、随分酔っ払っているみたいなので離してあげてくだい。僕がタクシーで送りますので」

やだな、結局こうなってしまったと諦めかけている時に高瀬さんが送っていくと上司に交渉をし始めた。
完全に潰れて店の中でまだ寝ている別の課の女性を送っていけと上司も肩を抱いたまま引き下がらない。

(どうしよう)

それは他所の課なのでと高瀬さんも引き下がらない。

「私が送っていきますね。その後二次会には向かいますので」

喧嘩のようになってきた二人を止めるように先輩が間に入ってくれたけど、お前は黙ってろと完全に頭に血が登った上司は止まらない。

荒ぶっていく喧嘩腰の上司が言葉を発する度に掴まれたままの肩に力が入って痛い。
もう引き下がってくれればいいのに高瀬さんもだんだんと喧嘩腰になっていく。

(送って欲しいなんて頼んでないのに)

思ったより飲まされてしまったお酒が入った身体は力がうまく入らない。
掴まれた肩の力によろめくと鞄を持っていない方の腕を取られ後ろに引っ張られる感覚がした。

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設定タグ:歌い手 , 浦島坂田船 , センラ   
作品ジャンル:恋愛
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あーりん(プロフ) - lonleyさん» コメントありがとうございます!やっと書き始める事ができたのでのんびりにはなると思いますが読んで頂けると嬉しいです★ (2019年7月11日 23時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - ふらわぁさん» 気味悪さを表現したかったので、最高の褒め言葉ですwありがとうございます!笑 (2019年7月11日 23時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
lonley - すごくおもしろかったです! 坂田くんver.気になって仕方ありません!! これからも頑張ってください! 応援してます! (2019年7月10日 21時) (レス) id: 39388112b7 (このIDを非表示/違反報告)
ふらわぁ(プロフ) - おかえりってところでゾクってしましたw (2019年7月10日 20時) (レス) id: c190ba3ed4 (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - もえかさん» コメントありがとうございます!どちらも読んで頂けて嬉しいです( ;__; )今後もよろしくお願いします! (2019年7月7日 16時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あーりん | 作成日時:2019年6月19日 6時

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