93 ページ7
元々頭が良いのか教える事は早く覚えて、買ってきた問題集のおかげか簡単な漢字や使い方をほぼわかるようになっていった。
「凄いね、やれば出来る子だったんだ」
「えらい?」
「偉いのと、凄い!」
手を叩いて褒めるとふふ、と嬉しそうに笑う。
「疲れてない?もうやめる?」
時計の針は5時を指していて結構長い時間勉強したなー、と持っていたボールペンを置いた。
「Aちゃんは?疲れてない?」
「全然疲れてないよ。センラ覚えるの早かったしね」
「早く覚えたいからもうちょっとする。Aちゃんは休んでてええよ」
「そう?じゃあ見てるね」
本当にちゃんと勉強したいと思ってるんだなぁと感心しながら彼の書く文字を見ていると顔を上げた彼と目が合った。
「これ貰っていい?」
「これ?いいよ」
仕事用のペンケースに入っていた少しイラストの入った付箋を指さして言うので一枚渡すと隠しながら何か書いている。
「見たらあかんよ。目閉じて!」
「わかった」
「ほんまに見てない?」
「見てないよ」
疑り深いなと笑って手で顔を覆う。
「はい、どうぞ」
「もういいの?」
「うん」
覆っていた手を外して彼の顔を見ると、トントンとテーブルを叩いてさっきあげた付箋を指している。
下を見ると「Aちゃん大好き」と覚えたての漢字も書かれていて自然と頬が緩む。
「くれるの?」
「あげる」
綺麗に書かれた文字。
ちゃんと合ってる?と不安そうな彼に合ってるよ、と頭を撫でる。
「ありがとう。嬉しい」
「ほんま?」
「ほんと。大事に取っておくね」
鞄から手帳を取り出して書いてくれた付箋を貼ると、彼が嬉しそうに笑う。
「手帳見たら仕事中にセンラの事思い出しちゃうね」
「いっぱい思い出して」
テーブルに肘をついて身を乗り出してキスしてくれた拗ねている彼を見て思う。
(これ以上思い出すと仕事にならないんだけどなぁ...)
頭の中はほぼ彼の事でいっぱいなのは秘密にしておかないと何をされるかわからないからわかった、と返事をして黙っておくことにした。
760人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あーりん(プロフ) - ふらわぁさん» 発狂だなんてありがとうございますw出来る時になるべく更新するようにしているのでこれからもお付き合いお願い致します★ (2019年6月18日 5時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
ふらわぁ(プロフ) - もう、更新早めで発狂してました (2019年6月17日 19時) (レス) id: c190ba3ed4 (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - 白雨さん» 白雨様ー!ありがとうございます!m(_ _)mキャラクター崩壊も甚だしいですがこれからもよろしくお願い致します! (2019年6月17日 16時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
白雨(プロフ) - 赤星になりましたね!おめでとうございます〜!これからの展開も楽しみにしてます(*´艸`) (2019年6月17日 11時) (レス) id: 7f0c200b78 (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - ふらわぁさん» ありがとうございます!深夜更新が多いのでご迷惑をおかけするかもしれませんがお付き合いよろしくお願いしますm(_ _)m (2019年6月16日 23時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あーりん | 作成日時:2019年6月9日 16時