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「無いなぁ」
「今めっちゃ楽しいし、僕は無いかな」
「俺も無い」
「俺はさ「おい」」
多分まーしぃはお酒の事を言いたかったんだろうけどうらたんに遮られて最後は聞こえなかった。
「そうなの?」
「坂田の今楽しいっていうのはほんまの事やし、これ以上なんか欲しがったら罰当たりそうやわ」
彼が柔らかく笑う。
「じゃあ、何か欲しいものが出来たら言ってね」
みんなわかったと頷いたけどまーしぃはうらたんに口元を抑えられていて気の毒だったからビールを出して渡すともう欲しいものは手に入れたと喜んでいた。
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「なんでいきなり勉強始めたの?」
みんなが帰った後にいつものドライヤーを彼の髪にしているときに気になったことを聞いてみた。
「んー?あれなぁ、」
私の足の上で腕を組んだ彼が見上げてくる。
「テレビ見ててだいぶわかるようにはなったんやけどもっとわかるようになったらもっとおもろいかなーって」
「そうだね」
確かに、と頷くとあとね、と彼が続ける。
「なんも出来ひんのかっこわるいやん」
「ん?」
「読み書きくらい出来やな彼氏として恥ずかしいやろ?」
「、、、」
とりあえずAちゃんの名前を書けるようにすると照れて笑う彼が可愛く見えて黙ってしまった。
テレビのおかげか随分と人間らしいというか、現代人らしくなった彼は様々な言葉を毎日使うようになって驚かされることもあるけど「彼氏」という言葉が出てきて一瞬手が止まりかけた。
テレビを見て知ったんだろうか。
(彼氏...)
お互い好きだと言ったわけだし一緒に暮らしていて彼氏じゃないのもおかしいか、、、そっか、彼氏か、と納得していると急に意識してしまってまた手が止まりそうになる。
「うらたん厳しいねん」
「そうみたいだね?」
「間違えるとめっちゃ怒るし」
「スパルタだ」
唇を尖らせる彼はでも頑張る、とドライヤーを終わらせる頃には今日のスパルタを発散出来たのかすっきりとした顔をしていた。
「勉強してえらいね」
すごい、と頭を撫でると嬉しそうに笑う。
「ほんま?えらい?」
「うん、えらい」
犬だったら凄く尻尾が振られているんじゃないかと思えるほど上機嫌になって膝の上に乗り上げて私の顔を覗き込む。
「いってらっしゃいもおかえりもさっきも我慢した。もういい?」
「うん」
褒めて、と彼が笑う。
私の彼氏とやらは可愛くて困るなと思いながらはやく、と私を見上げてせがむ彼にキスをした。
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あーりん(プロフ) - ふらわぁさん» 発狂だなんてありがとうございますw出来る時になるべく更新するようにしているのでこれからもお付き合いお願い致します★ (2019年6月18日 5時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
ふらわぁ(プロフ) - もう、更新早めで発狂してました (2019年6月17日 19時) (レス) id: c190ba3ed4 (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - 白雨さん» 白雨様ー!ありがとうございます!m(_ _)mキャラクター崩壊も甚だしいですがこれからもよろしくお願い致します! (2019年6月17日 16時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
白雨(プロフ) - 赤星になりましたね!おめでとうございます〜!これからの展開も楽しみにしてます(*´艸`) (2019年6月17日 11時) (レス) id: 7f0c200b78 (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - ふらわぁさん» ありがとうございます!深夜更新が多いのでご迷惑をおかけするかもしれませんがお付き合いよろしくお願いしますm(_ _)m (2019年6月16日 23時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あーりん | 作成日時:2019年6月9日 16時