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インフルエンザにかかって彼の看病のおかげで熱も下がりきった夕方、会社から熱は下がったかと連絡が来て驚いた。
下がったことを伝えるとあれからインフルエンザでどんどん休んでいく人が増えたから明日来てくれないかという用件で、熱が下がった事を伝えてしまったから断れない。
大きい社外の仕事も控えているし仕方ない、
わかりましたと電話を切った。
「電話何やったん?」
「明日来てねって」
「え?四日休みなんやろ?」
「みんなインフルエンザになって人が足りないみたい」
えー?と怪訝そうな顔をして携帯を触るとインフルエンザはお医者さんが言った日数休まなあかんのに?と携帯を見せて首を傾げている。
「うちの会社は仕方ないよ」
割とブラックな会社だとは思っていたけどこういうとこだよねと思う。
でも仕方ない。
確かに熱は下がったし明日行けばまた二連休がある。
明日だけ頑張るよと言うと彼は納得しない様子で私の身体を心配していた。
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「しんどくなったらすぐに帰らしてもらうのと、無理せーへんことと、あとは」
「わかった、大丈夫」
笑いながら何回も聞いたと話を遮って玄関で彼を見上げる。
「だって心配やねんもん。早すぎるわ」
ほんまに熱下がった?と朝から何度も測られたおでこに手が置かれる。
「大丈夫。センラのご飯のおかげでもう元気」
「ならええけど、、、」
朝起きると風邪を引いている最中に彼は何度も作ってくれていたおかゆを朝食として準備してくれていた。
ほんまに行くの?と食べながら聞かれ何度もさっきの言葉を繰り返して今に至る。
「しんどいって会社の人に言いにくかったら、せめて俺に連絡してね」
何も出来ひんけど、と彼が肩を落とす。
「そんなことない。センラがいなかったらこんなに早く治ってなかったし、身体は辛かったけど、、、」
「けど?」
なに?と首を傾げる。
「センラにいっぱい甘えられたからインフルエンザになってよかったかななんて」
思ってみたりする、とだんだん恥ずかしくて声が小さくなっていく。
彼は嬉しそうに笑うと、いっぱい名前呼んでくれたもんねと私を抱き締める。
「何も出来ひんけど、もっとわがまま言って頼って」
「もう色々してくれてるよ」
目に見えない安心をくれるのはセンラしかいない。
それだけで充分なのに。
いってくるねと言うと頑張ってねと唇にキスされて久しぶりの出勤の感覚にきっと今日は忙しくなるだろうし頑張ろうと家を出た。
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あーりん(プロフ) - ふらわぁさん» 発狂だなんてありがとうございますw出来る時になるべく更新するようにしているのでこれからもお付き合いお願い致します★ (2019年6月18日 5時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
ふらわぁ(プロフ) - もう、更新早めで発狂してました (2019年6月17日 19時) (レス) id: c190ba3ed4 (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - 白雨さん» 白雨様ー!ありがとうございます!m(_ _)mキャラクター崩壊も甚だしいですがこれからもよろしくお願い致します! (2019年6月17日 16時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
白雨(プロフ) - 赤星になりましたね!おめでとうございます〜!これからの展開も楽しみにしてます(*´艸`) (2019年6月17日 11時) (レス) id: 7f0c200b78 (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - ふらわぁさん» ありがとうございます!深夜更新が多いのでご迷惑をおかけするかもしれませんがお付き合いよろしくお願いしますm(_ _)m (2019年6月16日 23時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あーりん | 作成日時:2019年6月9日 16時