5 ページ6
「テレビつけてくから、これ見て待ってて!」
迫る出勤時間に焦り時計を腕につけながら言うと男の子の視線はテレビに釘付けになっている。
(よし、これで大人しくしててくれるでしょ)
「じゃあ行ってくるから、帰ってくるまで待っててね?」
鞄を持って頭を撫でると慌てたように私のスーツの裾を掴む。
「どうしたの?」
言いたいことはなんとなくわかる、ような気がする。
どこ行くんだと目が、掴む手に込められた力が言っているような気がする。
「仕事に行かなくちゃいけなくてね、、わ!」
頭を撫でながら言うとみるみるうちに溜まっていく涙が悪いことをしているような気にさせる。
「う、、、、」
ぽろぽろと零れる涙を拭ってるうちにもういつも家を出る時間は過ぎている。
「ごめん!ほんとごめん!今日は早く帰ってくるから!」
少し無理やり手を離して顔を見ないように慌てて家を出た。
---------------------------
いつもは残業を当たり前のようにしていたけど今日ばかりはそういう訳にいかない。
仕事中もあの子が気になって仕方なかった。
大人しくしててくれてるんだろうか。
帰っていなかったらどうしよう。
探しに行くべきなんだろうか。
家を出る前に見た泣き顔を思い出すと自然に仕事をこなす手も早くなってきちんと定時に上がれるよう仕事を終えられた。
「お疲れ様でした!」
慌てて帰ろうとする私を不思議そうな顔で見る社内の目線も気にせず、脇目も振らず家に帰ると慌てて鍵を開ける。
「ただいま!」
977人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
おかゆ*(プロフ) - 番外編ありがとうございます!小センラさん大好きだったので悶えました……無理しない程度に頑張ってください (2019年10月9日 12時) (レス) id: 8572672a4d (このIDを非表示/違反報告)
関西風しらすぅ@坂田家 - 言葉喋るショタより何も喋らずに言葉理解してなかったり仕草で感情表現するショタの方が天使よな。まぁつまり神ってことよ。何のご褒美ですか。平日の夜中4時ににやけながらこれ読むってただの変態なんですけど。 (2019年6月6日 4時) (レス) id: f34e486c2f (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - あのんさん» ありがとうございます!コメント頂けると励みになります(;o;)これからも楽しんで頂けると嬉しいです! (2019年5月26日 20時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
あのん(プロフ) - とても好きです!!読む度癒やされてます! (2019年5月26日 20時) (レス) id: 2726eacb2c (このIDを非表示/違反報告)
月希(プロフ) - あーりんさん» 全然!!気長に待ってます!! (2019年5月22日 0時) (レス) id: 106e1f2421 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あーりん | 作成日時:2019年5月17日 21時