33:うらた ページ37
「センラっていうのは...」
おそらく彼のことなんだろう。
困惑している私の手を彼が握る。
「立ち話も何だから座ってよ、おねーさん」
よいしょ、とソファから立ち上がると私を座らせ、センラと言うらしい彼はドライヤーをする時のように私の足元に腰を下ろした。
「俺はうらた。センラの仲間であともう2人仲間がいるんだけど、いきなり3人で来たらびっくりしちゃうかなー？と思って今日は俺だけ」
羽を広げたまま胡座をかいて浮かんでいるうらたと名乗る男の人を眺めるけど何も頭に入ってこない。
(何？とりあえずどうすればいい？)
「俺のことはうらたんって呼んでよ。仲間はみんなそう呼ぶし」
「はぁ...」
聞き取りやすい声なのに全く頭に入ってこない。
なんでうらたんとかいう人は浮かんでるの。
あ、羽が生えてるからか。
え？羽？
次から次へと疑問が出てきて何から話せばいいんだと口を噤んでいるとAちゃん。という小さい声と共にぎゅ、と手を握られた。
彼を見下ろすと心配そうに私を覗き込んでいる。
(可愛い)
ふと思った。
仲間が来たということは彼はもうここにいる必要はないんじゃないか。
じゃあ連れて帰るねと言われても引きとめる術もない。
私と一緒にいるよりは仲間といたほうが彼にとってもいいに決まってる。
でも、、、
(嫌だ)
こんなことになるなら仕事なんて放り出して毎日もっと早く帰ってくればよかった。
さみしい、いやだというわがままを聞いて1日くらい休めばよかった。
いやだ。
朝、彼が私を引き止めるようにわがままを言ったらここにいてくれるんだろうか。
私はそのわがままをきかなかったくせに。
いなくなるのかと彼の心配そうな顔を見ていると不安になってなんだか目の前がぼやけてきた気がする。
彼が慌てて私の目元を撫でていく。
いなくなってしまったらこうやって悲しくなったときどうしたらいいの。
おかえり、って抱き締めて貰えないならこの家にはもう帰ってきたくない。
狭くなったベットに慣れて、もう1人じゃ寝れないのに。
濡れる感触と慌てている彼を見てまた泣いてしまったんだとぼんやり思うけど、泣いてここにいてくれるならいくらでも泣ける。
「Aちゃん」
私の顔を覆って涙を拭っていく手が優しい。
冷たいのに温かいような気がする彼の手を握って、うらたという浮いたままの彼を見据えた。
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おかゆ*(プロフ) - 番外編ありがとうございます！小センラさん大好きだったので悶えました……無理しない程度に頑張ってください (2019年10月9日 12時) (
レス) id: 8572672a4d (このIDを非表示/違反報告)
関西風しらすぅ@坂田家 - 言葉喋るショタより何も喋らずに言葉理解してなかったり仕草で感情表現するショタの方が天使よな。まぁつまり神ってことよ。何のご褒美ですか。平日の夜中4時ににやけながらこれ読むってただの変態なんですけど。 (2019年6月6日 4時) (レス) id: f34e486c2f (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - あのんさん» ありがとうございます！コメント頂けると励みになります(;o;)これからも楽しんで頂けると嬉しいです！ (2019年5月26日 20時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
あのん(プロフ) - とても好きです！！読む度癒やされてます！ (2019年5月26日 20時) (レス) id: 2726eacb2c (このIDを非表示/違反報告)
月希(プロフ) - あーりんさん» 全然！！気長に待ってます！！ (2019年5月22日 0時) (レス) id: 106e1f2421 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あーりん | 作成日時：2019年5月17日 21時
