°76° ページ27
「次に、エレンが味方であると仮定します」
Aがバインダーの留め具をバチンバチンと鳴らしながら話を進める
力一杯留め具を上に引き上げ、留め具を固定して板を引きつけて生み出せる風の威力を調べるのに夢中なAは、ところどころ話を止めながらもオレたちが理解するには不十分な時間をかけて話を進めていった
「エレンが味方であるならば、人類にとって今一番大きな利益は巨人の撲滅を除けば領土の奪還です
一番外側の壁の半径を○と置きます。2番目を2/3○、一番内側のを1/3○と表せます。円なので、外側の面積は(○^2 π)-(2/3○) ^2 π
この土地を奪還すれば、単純計算で今生産できている穀物の1.25倍の穀物が更に生産できます。
奪還方法の見通しは現状では立っていません。」
ここで、不意にAがオレの顔を見た
「エレン、策はある？
正直に言って」
突然の問いかけに、オレは考える暇もなく首をぶんぶんと横に振っていた
途端に彼方此方からブツブツと不満気な声が聞こえてくる
やべ、あるって言った方がよかったかな
「エレンは策はないと言いました。エレンは鎧の巨人や超大型巨人と並ぶような目立った特徴はありません。勝手な憶測ですが、エレンは此方側から手を加えることで応用能力が上がっていくのではないでしょうか。エレンが敵ならば、こちらの開発技術を利用するために、奪還方法はあると答えるはずです。エレンが敵である可能性は低い」
そこまで考えている可能性は？という声に、Aが顔をしかめる
「エレンは壁の穴を塞ぐのに、綺麗な球形をした大岩をわざわざ持ち上げて運ぶような馬鹿です。転がせばいいのに。
そんな馬鹿がそんな複雑な思考をできるはずがない」
Aの言い草に多少ムッとしたが、下手に口を挟んで計画を台無しにするわけにはいかないので後で文句を言おうとぎゅっと下唇を噛み締めた
「ざっとまあこんな感じで、エレンが敵か味方か分からない今、生かしておいた方が人類の損害は少ないでしょう」
いじょー、と妙に間延びした言い方で締め、Aが元の場所に戻って行く
義足はオレの顎にいるので相変わらずひょこひょこと飛び跳ねながらだ
あっけなく終わった説明に、オレも含めて会場内のほとんどがぼうっとしていた
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すず(プロフ) - ゆっきーさん» コメントありがとうございます！終わっちゃうんです…私も寂しいですが、最後までお付き合いいただけたら嬉しいです！ (2020年3月5日 19時) (
レス) id: 5963ed58b4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっきー - え、終わっちゃうんですか、、、寂しい(；ω；)最後まで頑張ってください！！ (2020年3月4日 22時) (レス) id: 6a0acf7ad8 (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - ルミさん» コメントありがとうございます！夢主はかなりズレた性格なので書くのがなかなか難しくて‥笑 そう言っていただけると嬉しいです！ (2018年8月8日 23時) (レス) id: 5963ed58b4 (このIDを非表示/違反報告)
ルミ(プロフ) - この小説、大好きです！特に夢主ちゃんのマイペースな性格が可愛くて、、、応援しています！頑張ってください (2018年8月8日 18時) (レス) id: 3f807c065c (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - 沙羅さん» コメントありがとうー！！嬉しすぎる( ；∀；)忙しくて沙羅ちゃんの小説も読めてない‥‥テスト終わったら一気読みだな！お互いに頑張ろう！！ (2017年9月14日 19時) (レス) id: 5963ed58b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すず | 作成日時：2017年8月24日 16時
