五話 微熱と回復 ページ5
薄ら寒い空気が入って、僕は重たい目を開けた。
A「っー！！よく寝たぁ…！」
しっかり眠れたのか頭はすっきりしており、体の疲れもだいぶ取れたとうに思えた。
しかし、あれからどのくらい時間がたったのだろうか。
太陽が入っているため日中であることはわかる。だが、この日の入り方は明らかに数時間過ぎてからの入りかたではない…。
A「もしかして、お昼から朝まで寝てしまった…？！」
なんたる不覚。忍者たるもの、眠りすぎだ。これが実践であったらどうなっていただろうか。
よくてクビをはねられ、悪くてもなんらかの形でこの世界にはいられなくなるだろう…。
そんな風に疑心暗鬼に陥っていると、保健室から誰か入っている音がした。
伊作「あ！A起きたんだね！」
A「あーうん…っ///////////な…何してんだ…？/////////////////」
「なんで朝になるまでほおっておいたのだ」と文句をつけようと口を開こうとしたが、それを口走る前に伊作は保健室に入り僕の隣に座り、息がかかるぐらいに顔を近づけた。そしておでこをぶつける。
伊作「ん…熱下がったみたいだね」
A「熱…？」
伊作「Aが眠ったあとに熱を測ってみたら微熱だったんだよ。Aは無意識に病気気味になりそうだったらすぐ保健室くるから、すぐ対応しやすくて助かるよ」
A「たしかに若干汗をかいてるかも…」
「あとでお風呂に行こう」そんなAのあっけらかんとしたものいいと同時ぐらい「無理しすぎなんだよAは」と笑いながら伊作は、デコピンの刑を下した。
地味に痛かった。伊作のデコピン…腕があがったんだと思う。
伊作「今日は無理に体動かさないこと…！自主練するのはいいけど控えめにね？」
A「はーい。」
そうして布団を畳み、お風呂に行く準備をしようと自分の部屋に戻ろうとする。
しかしここで、いらぬいたずら心が芽生える。
A「そうだ…一緒にお風呂入る？昔みたいに」
どうせ笑いながら「はいはい、もう昔みたいなことはないよ〜」って流すだろうと思いながら彼をみる…が、そこにあったのは赤面した思いがけない伊作だった。
伊作「何言ってるの////？！それは昔の話でしょ！？馬鹿なこと言ってないでさっさと入る////」
ぴしゃりと音を立てて僕は保健室を追い出された。
A「何あのかわいい生き物」
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