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いざ、調理実習！11（雪） ページ24

料理は苦手ではないし、レシピさえあれば基本的には何でも作れるのは、私の中での密かな自慢だ。しかし、話しながら物事を進めることができろほど器用ではないため、みんながざわざわとしながらやっているのをいいな、とみつつ、自分の作業を進めていた。

しかし周りの状況は意外と入ってくるもので。例えば、あの完璧そうな上杉さんが人の食べるものとは思えないようなパンケーキを作っていたりとか、それを食べた織田さんがなかなか戻ってこないな、とか、清浄さんはお料理が苦手なのかな、とか。

そんな周りの様子をうかがいつつも、私は自分のパンケーキを完成させる。一口くちにれてみると、まあまあ不味くもなくふつうに美味しい。

甘い物好きな彼のために少し取り分けたあと、残りをどうしようかと悩んでいたところ、フラフラとした様子で帰ってきた織田さんに声をかけてみることにした。

「織田さん、私が作ったパンケーキ余っちゃって…。よかったらどう？」

「…変な味しない？」

「しないとおもうよ、さっき私食べたけどしなかったし。」

そう言うと恐る恐る一口。「…ふつうに美味しい。」と食べてくれ、私的には非常に満足。完食してくれたので助かりました。

「美味しかった、ありがと！」

「いえいえ、ごちそうさまです。ちなみに、さっきの上杉さんのパンケーキ、どんな味だった？」

「…聞かないで…。」

青ざめた顔をした彼女が、少しだけ不憫になった。ので、そっと椅子から立ち上がり、片付けを始めることにした。

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