137話 ページ16
『……何故探してくださっていたのですか?私はあなた方に酷いことを言ったのに』
「酷いこと……?ああ、俺たちの顔を見たくないってやつのことか」
『はい……気が動転していたとはいえ、申し訳ないです』
そう謝ると、彼は優しく笑った。
「誰も気にしてないよ、そんなこと。サクラから前の天女や俺たちに何をされたか、聞いたんだろう?」
図星だ。
河野さんから聞いたのか、何となく雰囲気で察したのか……
『……私は、あの話を聞いて私自身も前の天女も何もかもが許せなかったんです。あそこまで酷いことをされていたなんて、全く知らなかった』
久々知さんは静かに聞いてくれていたが、おもむろに口を開いた。
「俺も、自分を許せない。サクラやアキを深く傷つけてしまったことも、Aを追い込んでしまったことも」
彼は顔を上げ、こちらを真っ直ぐ見つめる。
「A、すまなかった。俺たちの過去の行いのせいであの2人だけではなくお前まで傷つけることになってしまった」
『そんな……私は勝手に落ち込んでいるだけですから。河野さんたちに言ってあげてください』
そう言って笑ったつもりだったが、うまく笑えていなかったようだ。
「そんな顔しないでくれ……。Aの悲しそうな顔なんて見たくない」
私が思っていた以上に心配をかけてしまっているらしい。
本当に申し訳ない。
『さて、そろそろ戻りましょうか。思ったより心配をかけているみたいですので』
「そうだね。早く戻って報告しないと」
なんとなく気まずい雰囲気のまま、長屋に向かって歩き出す。
心なしか、いつもより距離がある気がした。
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更新遅くなってごめんなさい!
テストが重なってしまい、しばらく更新できませんでした。
今更ですが、作者は喜八郎最推しの五年生箱推しなので、この辺りとは少し絡みが多いかもしれないです。できるだけ平等にできるようにします。
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ハル - 凄く面白かったです!大変な時期だと思いますが、これからも応援してます‼︎ (3月22日 19時) (レス) id: 0fe5dcb2f7 (このIDを非表示/違反報告)
名無し46937号(プロフ) - 初めまして!素敵な夢小説をありがとうございます!もしよければ忍術学園全員出動の段書いていただけませんか? (2月27日 22時) (レス) id: f091a3aa7a (このIDを非表示/違反報告)
kanayamamoto112(プロフ) - はじめまして。天女になった蝶柱第1章から見てます。リクエストなんですけどヒロインちゃんと1年は組がお茶会を開きそれに1年い組とろ組とそれぞれのクラスの先生が参加するが見たいです。 (2023年3月6日 18時) (レス) id: 763c9aa7d5 (このIDを非表示/違反報告)
麗羅(プロフ) - 蘭檸さん» ありがとうございます!亀更新ですが、これからも少しずつ書いていくのでぜひ読んでくださると嬉しいです! (2023年1月14日 18時) (レス) id: 90634de060 (このIDを非表示/違反報告)
蘭檸(プロフ) - 面白くて一気に読んでしまいました!更新楽しみにしてます! (2023年1月2日 16時) (レス) @page16 id: 9728c679fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:麗羅 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/aji391/
作成日時:2022年4月25日 22時