いち ページ2
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「…A、ちゅー」
ん、と唇を突き出す彼方。
え、なになにっと周りにいた彼方のファンが足を止め、目を光らせた。
刺々しい視線が私に集まる。
ああ、私殺される…
一刻も早くこの空気から逃げ出すべく、彼方の腕を掴み、猛ダッシュする。
「え、A……!」
ちゅーしてくれるの?とでも言いたそうな惚けた声。
後ろからどどどと音が聞こえた気がしたのは気のせいだと思いたい。
ーーーーーーーーー
さて、立ち入り禁止の屋上まで走ってきた。
肩で息をする私達。
「はっ…ふぅ。ねぇ彼方__」
“本当にみんなの前でああ言う事言わないで欲しい”
そう言おうとしたのに、あっけなく彼方に唇を奪われる。
「…ふっ、隙あり」
ニヤリと小悪魔の様に笑う彼方。
不意を突かれて、頰が赤らんだ。
一瞬きょとんとした表情をしていた彼方だが、また唇を合わせる。
あれ、今度は長っ……。
「……ね、もっとしてい?」
拒否権なんてないよ。そう目で言ってくる。
なんだか恥ずかしくなって彼方の肩を強く押した。
「キスは1日1回までだから!!!」
・
なんていう、中学一年生のピュアな頃の話でした。
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作者名:アコギくん | 作成日時:2019年3月28日 22時