白い菫〔百合短編集〕 (ページ3)

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イチャイチャページ3

ひーちゃん、と私を呼ぶ恋人。
腕をバッと開いて「ん!」と声を上げるその子(名前は美羽という。)。きっと構って欲しいんだと思う。私は捻くれているので、少し意地悪で「どうしたの」と聞いてみた。

「んー‼」
「んー、じゃ分かんないよ」
「分かって⁈」

ほら早く、と催促する美羽。私はガラ空きな脇をくすぐってやった。私の腕の中で笑い転げる美羽を見て、私は加虐心をくすぐられる。

「ちが、ギュってしてほしいだけなのに～‼」
「えー? 聞こえなーい」
「ひーちゃんの意地悪ー‼」

きゃははと笑い転げる美羽。子供みたいに無邪気に笑う美羽を見てると、心がキュンキュンする。
私は美羽を解放する。美羽は少し痙攣しながら笑っていて、息が荒い。少し顔が赤くて目が潤んでるせいもあって、私はなんだか変な事をしてしまった気分になる。

「ほら、ぎゅーってして」
「しょーがないなぁ」

美羽をギュッとハグする。美羽の耳についたイヤリングが頭の上でチャラチャラと音を出した。柔軟剤の甘い匂いがふわっと香るのが心地よい。
私は美羽の首筋をペロリと舐めた。美羽は少し身をよじらせて笑う。「ひーちゃんはスケベだなぁ」
彼女はそう言って私の耳を甘噛みする。腰のあたりがゾクゾクして思わず腰を上げてしまうと、美羽はそこを優しく撫でた。

「やめてよ、スケベオヤジめ」
「お互い様ですぅ」

美羽は私の顔を両手で優しく支える。美羽の私を見る目は慈愛に満ちていて、私はたまらずキスをした。ちゅ、ちゅと繰り返し響くキスの音は、甘くて蕩けるような音楽に聞こえる。
美羽は私の顔をまた見つめて、にっこりと笑った。はにかむ笑顔が可愛くて、私はまたキスをした。