26 自称未来の花嫁 ページ27
例によって毒入りの朝食をいただいたあとイルミさんの後ろをテチテチ付いていった。その間もあちらこちらからナイフやらフォークやら飛んでくる。キルア様の未来の花嫁に何てことすんのよ。顔を覚えたからな執事ども。
「イルミさんは何が目的なんですか？」
「目的って？」
ようやっと攻撃の雨から抜け出して、イルミさんのとなりに行く。長い腕がするりとわたしの肩を抱く。リーチが違いすぎて、歩幅が合わない。半ば引きずられていく。
「わたしを屋敷に入れたのは、イルミさんにとって何らかの利用価値があるからなんでしょう」
「まあね。いずれ話すよ。時がきたら」
「いずれね……」
「ただし価値がなくなった瞬間に殺してやる」
「捨てゴマ宣言やめて！」
そんな風にかわされた。まあいいさ。わたしはキルアと近づけるし、踊らされる相手がイルミさんなら悪くない。その白いてのひらの上でかわいくダンスあげる。アーチをくぐって、手入れのいきとどいた庭に出る。顔をあげるとヨーロッパの古城さながらの屋敷に圧倒される。しっかし、青空が似合わねえな。まるで夜に映えるよう意図的につくられたみたいだ。
「キルだけじゃ飽きたらずイルミにまで手を出すなんて……！このアバズレが！」
一緒に歩いているところをキキョウさんに誤解された。命がけの鬼ごっこが始まる。イルミさんは面白がって誤解をとかずに置いていった。んもう。プンプン。逃げ回っているうちに、ようやく鍵のあいてるドアを見つけた。転がりこんで息をひそめる。どんなホラゲーだよ。
「う、わ……」
そこは書庫だった。壁一面に敷きつめられた、本、本、本。わたしは思わず一冊を手にとる。ハンター語はトリップ特典でするする読めていた。没頭していると「A、こんなところにいたのか」と声をかけられた。オバケかと思った。相手はシルバさんだった。
「すみません、勝手に入って」
「いいや。ここは俺以外ほとんど使わないし構わん。本が好きなのか」
わたしがうなずくとシルバさんが柔らかに笑った。
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有希(プロフ) - mayaさん» うわあああああ！！！！！（mayaさんへの感謝と次章を読んでいただける喜び）これからもどうぞ本作をよろしくお願いします！ (2021年4月5日 20時) (
レス) id: 67c2a31e1e (このIDを非表示/違反報告)
有希(プロフ) - フェルメルトさん» 初めまして、フェルメルトさん！コメありがとうございます。今後とも誤字脱字を見つけられたらソッと教えていただけると嬉しいです。 (2021年4月5日 20時) (レス) id: 67c2a31e1e (このIDを非表示/違反報告)
maya(プロフ) - うわああああ（感嘆と次回への期待、そしてここまで書いてくれたことへの感謝の叫び） (2021年4月5日 20時) (レス) id: e6b38507b3 (このIDを非表示/違反報告)
フェルメルト - スミマセン！！一話のエラベーターってもしかしてエレベーターじゃないですか？ほんとスミマセン (2021年4月5日 17時) (レス) id: d6649fea10 (このIDを非表示/違反報告)
有希(プロフ) - ゾル家にやさしくされるよりぼこされたい、こんな猟奇的なﾕﾒｼｮをリアルで好きだと言ってくれてホントに嬉しいです。弊社の夢主はゾル家に対してMなんで何されても喜びます。私個人としてもこの作品が大好きなので、どうぞ選挙編までお付き合いください！ (2021年4月1日 21時) (レス) id: 67c2a31e1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：有希
| 作成日時：2021年2月11日 8時
