148 さすが俺らのイル兄 ページ8
「キルがウチに帰って何をしようとしているか知っているね？そこで提案だ。オレと組んでアルカを殺しにいこう」
「お断りします。交渉の余地もありません」
サッサと帰ろうとするけど、できなかった。ふりむくとヒソカがニヤけ顔でバンジーガムを使っていた。あれよあれよとイルミさんの横に座らされる。イスが高くって足が地面に届かない。今夜は帰してくれなさそう。
「キルはアルカを外に出したら最後、きっと離れなくなる。そしたら旅はお終いだよ？」
「はい」
「キルとの関係も終わるよ？」
「はい。それで、いいと思います」
さすがの2人も予想外だったらしい。イルミさんは少し黙った。
「実はわたしには兄がいるんです」
「初耳だね♤」
「言ってませんからね。もう大っ好き。チューできちゃうくらい好き」
「イルミがキミに懐く理由がわかった気がするよ……♧」と、ヒソカは遠い目をした。
「もしその大好きなお兄ちゃんと何年も引き離されて、地下深くに閉じこめられたとしたら……きっと、耐えられない。だからわたしはアルカちゃんの側につきます」
イルミさんは無表情のまま針を突きつけてきた。針のさきが頸動脈に触れている。ヒソカがイルミさんを視線で牽制する。空気が張りつめたあまり、ウイスキーのはいったグラスに亀裂が走った。
「……わたしを殺しますか？イルミさん」
心臓が皮膚を突き破りそうなくらいドキドキしている。だけど、ダテに1年も付き合っていないから、このあとの展開はなんとなく読めていた。やっぱり無表情のまま針をしまうのだ。
「じゃあAはオレと結婚しよう」
イルミさんの予測不能な爆弾発言はわたしをフリーズさせるには十分だった。ヒソカは肩をふるわせて笑っている。
「オレとキルの遺伝子はほとんど同じでしょ。だからオレと子どもを作るのも似たようなものじゃん」
「いやいやいや」
まったく似ていない。なんだその無茶苦茶な理論は。ヒソカに目線で助けを求めたけどニッコリされるだけだった。テメェは敵だ。
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ま - 一気に読み切ってしまいました！楽しかったです！途中感情移入して泣いちゃうとこもありました笑更新楽しみに待ってます！ (4月16日 21時) (
レス) @page39 id: 46b1d29c13 (このIDを非表示/違反報告)
◎SaE(プロフ) - あなたの書く文章が大好きです。 (12月22日 11時) (レス) id: 5b13a1df84 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 更新待ってます。 (9月2日 23時) (レス) id: fdd6e06bf4 (このIDを非表示/違反報告)
こもれび(プロフ) - 有希さんと好みが似ているのか、好きなキャラや印象で近しいものが多くて共感しまくりです。こちらの作品を詠ませて頂くのは多分これが3度目なのですが、性懲りも無く毎度同じ場面で泣いてます。顔面が涙でぼろぼろです。言葉巧みな表現が大好きです。応援しています。 (2022年12月28日 4時) (レス) @page39 id: 4d4f4ab205 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇる-ameizumi(プロフ) - 今出ているところまで読み切りましたがとて好きな文章構成や内容で、ところどころでほんとに泣いてしまいそうでした。終わりが見えてきそうですが最後まで応援しています。 (2022年12月23日 0時) (レス) id: 5d2780f034 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：有希
| 作成日時：2021年11月14日 16時
