初恋は実るためにある 4【HUNTER×HUNTER】

149　暗殺者の猛アタック ページ9

「母さんが連れてくるような香水くさい女は絶対に嫌……だけど自分で女を探してきて家族全員に認めさせる苦労を考えると骨が折れる。Aは父さんにもミルキにも気に入られてるし、カルトもAが来たら悪い気はしないみたいだし、ちょうどいい」

「いやいやいや」



何もちょうどよくないです。



「オレは人を殺すことを生業にしてるから、新しく人を作る、子どもを作るなんて考えるだけで気持ち悪くて気持ち悪くてしょうがないけど……相手がAなら、できないこともないし」

「いやいやいや」



こっちの意思は関係ないってか。さすがイル兄。




「何？オレが嫌なの？」

「ほ、本気で殺そうとしないでくださいよ……
イルミさんってほんとにわたしのこと好きですよね」

「は？オレがAのことを？そんな訳ないでしょ。勘違いもはなはだしい」

「……」



　ええ？好きじゃないの？こんなにわたしに好意らしきものを寄せておいて、嘘だろイル兄？好きでもない相手と子どもを作ろうと思えないだろ。そりゃあ論理上は可能だよ、精子と卵子があればいい話だし。でもさあ、そういう問題じゃなくない？原始時代じゃあるまいし。



「ボクらみたいな人間は先天的に、誰かが好きって感情が何かわからないんだよ◇」ってヒソカが横からコッソリささやいてきた。それが本当なら、とても寂しい。



「ゾルディックに放出系の血が交じったことはあんまりないから名案だよね。オレに似て操作系だったら、それはそれで訓練しやすい。どう？オレに賛成でしょ？ヒソカ」

「う〜ん……イルミを応援すれば将来的にイルミとAの間にできた子と戦わせてくれるのかい？」

「いいよ。ただし殺さない程度にね」

「じゃあボクはキルアよりイルミの味方かな♡」

「わたしを抜きにして話を進めないでください」




　あっという間にイルミさんと子どもをつくらされ、その子を戦闘狂とデスマッチさせる予定が立てられた。冗談じゃねえ。

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