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△ 東京デート ページ28

普段使いにはかわい過ぎてしまっておいた着物を、今日は特別な日ということで引っ張り出してきた。お化粧もちょっと変えてみた。先に玄関で待っていた善逸はすぐに気づいてくれた。いつもに増してかわいいねって。



「わかるんだね」

「わかるよ。いつも見てるから」



 さらっとそんなこと言って、わたしの手を繋ぐ。ほんとに日本人?ラテンの血が流れてるんじゃないかと思うくらい言葉にしてくれる。こんな男の子そうそういない。絶対に手放してやらないんだから。わたしのもんだ。



 東京デートにぴったりな青空だこと。楽しそうに揺れる金髪は花火みたいに陽を跳ねっかえしてる。ああ綺羅綺羅しいの。善逸といるとすべてが。たといわたしが鬼になろうとも、この色と光を忘れることはない。そんな気がするよ。








 あんみつ、もう一個頼みたいな。でもすぐ隣で善逸が頬杖をついて見てる手前、「よく食うな」って思われるのはちょっと恥ずかしかったり。



「ふふ。気にしないよ、俺」

「心読まないで」



正しくは、聞かないで、だけど。
「ごめん。つい」そう、ちっとも思ってなさそうな声で謝ってくる。やっぱり善逸だけがわたしの心を読めてるなんてずるいよ。不公平じゃんか。



「そう言われてもさ」



わたしだって善逸の心の音を聞きたい。



「聞いたっておもしろかないよ。Aちゃんのことしか考えてない、つまらない男だからね」



 調子のいいこと言って誤魔化すな。えっちなこと考えてるくせに……ね、善逸のピアノ、また聞きたいな。



「あんなのでよければ」



今日の晩ごはんのおかずは唐揚げだよ。



「やった。Aちゃんの唐揚げ、大好き」


キスして。


「………うん」







「鳴神の

少し(とよ)みて

さし曇り

雨も降らぬか

君を留め」






雷がちょっと鳴り響いて、雨が降らないかな。

そうすれば、あなたをここに留めておくことができるのに。



 善逸はわたしの声の調子に合わせて、和傘をぐるぐる回した。デートの帰りに通り雨にあったわたしたちは傘を半分こした。相合い傘をするときはいつも善逸の肩だけが濡れていた。

△ アンチ処女主義→←△ 夢、希望、ひかり



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あき - うわぁ、HUNTERHUNTERも書いてくれるなんて……🥹🥹 (2023年1月30日 14時) (レス) @page50 id: 099b645bba (このIDを非表示/違反報告)
まっひぃ - 善逸のそういう所好きだぁー!😁かわええ (2021年11月11日 15時) (レス) @page48 id: d24aae8d9d (このIDを非表示/違反報告)
ひとみちゃんDX(プロフ) - 今まで読んだ中で一番好き! (2021年10月29日 12時) (レス) id: 0e9cb43b28 (このIDを非表示/違反報告)
くるみ割り人形 - わあわあ好きだあ途中どうなったのってなったけどちゃんとハピエンで良かったああうわん嬉しすぎて嬉し涙が…というかヒロ◯カの小説も書いていらっしゃるなんて!今すぐ読んできます!あ、この作品めっちゃ良かったです!好きです!(唐突の告白 (2021年9月12日 7時) (レス) id: 7c01fc8068 (このIDを非表示/違反報告)
朝霧 sud .(プロフ) - とっても素敵でした。 (2021年9月9日 15時) (レス) id: a463316156 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:有希 | 作成日時:2019年10月4日 22時

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