116 タイプ大外れ ページ23
わたしはビスケを横から抱きしめた。体格も匂いもこんなに違うのに、ちょっとママを思い出す。「重いわよ」って言う文句もやさしさに満ちていた。
「前から気になっていたんだけどさぁ、ビスケのタイプってどんなひと？」
「べつに普通だわさ。容姿、念能力、収入、身長があたしの定めた基準より上であるひとよ」
「それ普通じゃないぞ」
「アンタはどうなの？」
「わたしを好きになってくれるひと」
「……何よそれ。ずるいわよ。模範解答ってやつ？これだからマセガキは」
「じゃあキルアみたいなひと」
耳をそばだてていたキルアが反応した。怒ったみたいな顔をする。それは表情がゆるんでいるのを隠したくて、力んでいるだけだ。
「嘘つけ」
「バレた？ほんとはセンスのいいプレゼントを買ってきてくれて、女の子の気持ちをわかってくれるような、やさしい王子様がいいの」
「バーカ、夢みすぎだろ」
ビスケが「間違いなくキルアじゃないわねー！」と指さしてゲラゲラ笑うから「うるせえババア」「やんのかクソガキ」ってタイマンが始まっちゃった。仲いいなぁふたりとも。その間ゴンは「ふたりとも子どもだよねぇ」ってわたしの隣で野菜チップスをかじっていた。意外とそのへん大人びているんだよなぁ、ゴンは。
*
「クッソー、あのババア強すぎるだろ……」
ビスケと思う存分プロレスしてきたキルアがぼろぼろの状態で帰ってきた。あちこち傷だらけなのに美少年は美少年のままで、シルバさんとキキョウさんとそのご先祖様にわたしは心から感謝する。手当てしてあげていると、ぼそぼそと聞いてきた。
「さっきのアレ、本当かよ」
「アレ？」
「タイプの話」
「あーね。うん。マジだよ」
「……」
「だけど思うの。やっぱり王子様なんかじゃなくていい。わたしを笑わせるためにちょっと心を砕いてくれるひとでいいの。他には何も望まない。それ以上に何か求めたら贅沢だって言われちゃいそう」
「そんな男なら、ここにいるじゃん」
「うん。すぐ目の前にね」
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ちーちゃん - わざわざお返事ありがとうございます！完結まで楽しみにしています！ (2021年11月14日 17時) (
レス) @page49 id: efb35b509b (このIDを非表示/違反報告)
有希(プロフ) - ちーちゃんさん» ちーちゃん、コメントありがとうございます！最後まで楽しんでいただけるよう頑張ります！次章もよろしくお願いします！ (2021年11月14日 16時) (レス) id: d83879ced4 (このIDを非表示/違反報告)
ちーちゃん - 更新嬉しいです！また頑張ってください！ (2021年11月10日 15時) (レス) @page9 id: efb35b509b (このIDを非表示/違反報告)
有希(プロフ) - yuriori12911さん» コメントありがとうございます。いろいろ確認したところ途中から自動変換機能が外れてしまっていたみたいです何故か。すみません。直しましたのでご報告させていただきます。ご連絡ありがとうございました。 (2021年11月10日 7時) (レス) id: d83879ced4 (このIDを非表示/違反報告)
有希(プロフ) - 無気力に自信が有る人さん» いろいろ確認したところ途中から自動変換機能が外れてしまっていたみたいです何故か。すみません。直しましたのでご報告させていただきます。早とちりして申し訳ありませんでした。 (2021年11月10日 7時) (レス) id: d83879ced4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：有希
| 作成日時：2021年7月16日 18時
