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その質問に、清丸は気怠げに答えていく。一つ目は「この子はさらいました。千佳は……覚えてません」と。二つ目は「いいえ」と三つめは「いいえ。僕が勝手に行いました」と答えた。
 目の前のガタイの良い男は、ただ一言、「そうですか」と呟き、資料を片手に部屋から立ち去ると、数分後、もう一人、警官を連れて戻ってきた。
 少女は察する。留置場にでも、連れて行かれるのだろうか。そしたら、今度こそお兄さんと離れ離れになってしまうな。そんなことを考えながら、少女は無機質な廊下を再び歩いた。悲しい。涙がじわりと目に貯まる。
 けれど、少女の予想は大きく外れることとなる。その警官は、少女と清丸を一つの檻に
入れ、そして、二人を手錠で繋ぎ、二人を冷たく見下し、言い放った。
「明日、東京から護送係のSPがやって来る。それまでオトナシクしてろよ」
 少女は不思議そうに手錠でつながれた方の腕を眺めながら頷くと、清丸に寄り掛かり、良かった、という声を漏らした。この手が、私の傍から離れることが無くて。
 嬉しそうに、ただうっとりと手を眺める少女に、清丸は語りかける。
「ねぇ、雪ちゃん、もし僕がさ、君以外の人を好き、って言ったらどうする?」
 少女はえ、と小さな声を漏らした後、ニコリと微笑み、袖口に忍ばせていたカッターを取り出すと、静かな、通った声で答えた。
「殺します」
「それは、僕を? それとも、その人を?」
「どっちもですよ」
 カッターの刃を出したり、引っ込めたりしながら少女は無表情に答える。そして、何か言おうとした清丸の言葉を遮り、話を続けた。
「まず、相手の人はすぐに殺します。思いつく限りの残虐な方法で。そして、バラバラにして、そして、そして……」
 お兄さんに、食べさせます。
 そう少女は無表情に呟き、目を閉じた。そして、清丸に何か言おうとした、その瞬間。鉄格子が開いた。そして、一人の警察官が中に入ってくる。少女は、カッターを再び袖口に潜ませると、その男のことを不思議そうに眺めていた。男は、恐らく隠し持っていたのであろうナイフを取り出すと、それで清丸に切りかかった。しかし、其の刃が清丸に届く前に、辺りの他の警察官が彼を取り押さえる。それでもその男は諦めない。取り押さえてくる男たちを振り切り、手に持っていたナイフで、少女の腕を切りつけた。
 少女が痛みで体のバランスを崩したのと同時に、男は連れて行かれた。

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設定タグ:藁の楯 , アルビノ主 , 夢小説   
作品ジャンル:タレント
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煉獄少女(プロフ) - 匿名さん» すいません外し忘れてました。お手数をおかけしました。 (2017年7月31日 22時) (レス) id: 4523b23060 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - オリジナルフラグ、外してください。違反の対象となります。 (2017年7月31日 20時) (レス) id: 657e948106 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雪椿 | 作成日時:2017年7月23日 14時

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