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日常的夜話【とん】 ページ17

カツン カツン ブッシュ!
ゴッゴッゴッ……ぷはぁー!!

「疲れたわーメッチャしんどい」

恋するシリーズ春恋チェリー味を飲み下し、ソファを背もたれに机に突っ伏した。
スウェットの襟足が、濡れ髪でしっとりするのも放置じゃ放置。

あー皆様どーもーアパレル系OLのAですぅ。今日も一日足を大根にして接客の鬼でした。
笑顔もすり減るっちゅうねん!!
色んなもんがごっそり抜け落ちた状態でうだうだしてると、やわこいもんがマフっと頭に乗った。

「濡れたままにして、冷えるやろ」

あーおかんじゃ〜おかんがおる〜。

「誰がおかんじゃ。ええから拭けや」

我が愛しの彼氏様(おかん)のありがたい助言も、今の私にゃぁ念仏じゃ。
うーん、なんて生返事してたらチョップされた。しどいわぁ。

「痛ひ……。トン母様無理ですわ〜もう閉店、蛍の光流れてますぅ」
「しつこいわ。しっかし、ほんましんどそうやな」
「今なら好き放題できるで〜ふふふふ」
「……あほか、風邪ひいても知らんからな、看病せぇへんぞ」
「ふひひひ照れてる〜」

腕に突っ伏したままからかう。見なくても君の顔は分かるんだよワトソンくん。
ぐふふといつまでも笑てたら、頭をグワシッと掴まれた。

「うおっ!!」
「いつまでわろてんねん、ええから拭くぞ!」

照れ隠しな声で乱暴にガシガシ頭こすられる。ハゲるってトンチ。
痛い痛いなんて笑いながら言ってると、優しく調整してくれる所が好き。
しかも、ドライヤーまで標準装備とは!!

「むむむ! お主やりおるわ」
「生乾きやと、髪痛むらしいからな」
「あ〜温風が〜染みるんじゃ〜ふぁわぁ〜〜〜」
「変な声出すな」

クシで髪まで梳かされちゃってそんな声も出るわ〜。
ひんやりしてた襟も乾かされて、まぶたがだんだん落ちてくる。
聞こえるのは、ドライヤーのごぉーって音と、トンちゃんの鼻歌。

なんだろう、胸の奥がふんわかするわ。
こういうのなんて言うんやろ?

幸せ? 幸福? 安心? んーもう一声。

「……A寝たんか?」

トンちゃんの声がやわこくて、何でこんなに気持ちええんやろ。

「ーーん〜。……とんちゃん」
「おー。A寝るなら布団行きや―」

トンちゃん絶対あるふぁーふぁ発信してるて。
マフってしてるタオルみたいな闇にダイブしながら、絞り出す。

「……な〜。私……トンちゃん、いないと……生きていけな……い気がす……」
「ーー寝ながらいうセリフちゃうやろ」


グッナイダーリン、夢でも会いましょ。

はじまらない物語【?】※悲恋注意→←4月1日戦線に異常あり!【ぐる】



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作者名:unknown | 作成日時:2017年1月29日 2時

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