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猫じゃらし【ぐる・neko】 ページ14

「アイツラと普通にナイクラはさせんぞ」
「ひょッ!?」

押し殺せない笑いが瞬間引っ込んだ。

ーーびびび、ビックリした!! し、しかも心の声を否定してきましたよ、この方。やーだー。

「ぐ、ぐるちゃん。びっくりさせないでよ!」
「ずいぶん楽しそうにやっとるな」

なんか機嫌悪いな。眠いのかな? 疲れたなら寝ちゃえばいいのに。

「ぐるちゃん、眠いの? 私もう少しやっとくよ」
「……そやな、じゃここで休ませてもらうわ」

すいっと目を細めたぐるちゃんは、私が座ってる座椅子の隙間に入り込んで抱きついてきた。
な、なにをやッとるんですかね? 動揺のあまり大先生を切りつけちゃった。

『痛い! 近寄ったら切られた!!』

マイクの向こうで大先生が騒いでる、ご、ごめんね。でも私が悪いんじゃないから。

「ぐ、ぐるちゃん何やってるの? そこ寝にくいでしょ?」
「こちらのことは気にせずどーぞー」
「気にせずって……」

すっかり隙間に入ってしまい、おんぶおばけのぐるちゃん。
襟ぐりの大きいセーターなんて着なきゃ良かった。
無防備に晒された首筋に、さっきから……。

「んっ……ぐるちゃ、ん。そこくすぐった、いから」
「手ぇ、止まってるで?」

少しカサついた唇がくすぐったい。耳元でしゃべらないで。
ちょっとムッとしたから、意地悪に負けない。とゲームを続ける。
首筋にすりすりするぐらいだったら、我慢できるし。あ、私も一緒にネザー行きたいっす!

「んゃッ! ぐるちゃん、ちょ、ほんとどこに手入れて……」
「気にせず楽しべばええやん、こっちはこっちで楽しんどるから」

あれ? これ怒ってるよね。思わず手を止めてぐるちゃんを振り返ってしまった。
あーしまったーやってもうた。目が怒ってる。

「ぐるちゃん、私なにか怒らせた?」
「頼んだのはこっちやけど、そこまで楽しそうなのはおもろないな」
「だって、楽しいのは嘘つけないし」
「いうとるやん、気にせずどーぞー」

素直なんだか素直じゃないんだか。
でも手は素直よね、まだくびれをさわさわしてるし。
それに、なんだか当たってますけど?

ーーもう、しかたがない人。

画面の総統は動きを止めて、大先生が必死にやいやいしてる。
でもすべてうっちゃって、可愛い可愛い総統をかまいましょうか。

「ね、ぐるちゃん、さわるならちゃんとね、それじゃ足りない」

両手で顔をそっと挟んで、顎をチラリと舐めてやる。
目の中の熱を煽るように、カプリと噛んでやった。

男ってばかね【うつ】*6話のその後→←猫はゲームで踊りだす【ぐる・neko】



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作者名:unknown | 作成日時:2017年1月29日 2時

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