永続的恋愛

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いのちゃんの吉報は本当に嬉しかったし心から祝福している。

山田さんが望むならこの仕事を辞めるのだって俺は止めない。

いのちゃんが納得しているのなら、だ。


『いのちゃん、また変なこと考えてない？』

『ぇ、なんで？』

『いのちゃんがマイナスなこと考えてる時、すぐ分かる』


いのちゃんからの申し出は、ものすごく魅力的だった。

本当は薮さんに会いたい。今すぐに。

店でもいいし外でもいい。会えるなら、いつでも、どこででも。

許されるのなら、あわよくば恋人になりたいとももちろん思ってる。

でも俺はこの仕事は辞められない。ここは俺の生きる場所だ。

でも一般的な世間のイメージが良くないのは俺が1番よく分かってる。

将来有望な薮さんのイメージダウンに繋がるのは目に見えている。

それを薮さんが良しとしても、周りは良しとしない。俺も。

薮さんはこんな店に、出入りもしちゃいけない。


『いのちゃんがナンバーツーなのはちゃんと実力があるからだよ。自分の魅力なんか知らなくて当然。ナンバーツーっていう結果が、いのちゃんの魅力を物語ってる』


かといってナンバーワンの座を奪われるようなことにはさせないけれど。

俺がお客様だとしても、いのちゃんみたいに可愛くて綺麗で、隣に居ても恥ずかしくない人を選ぶだろう。


俺はお店で、お客様のために、お客様は俺のために、それだけでいい。


俺は薮さんへ久しぶりに返信した。


『薮さん、お久しぶりです。少し立て込んでいて、すみませんでした。お身体壊してないですか？また、お店に遊びに来てください』


今まで頑なに口にしなかった言葉。

店に来てほしいなんて、思ってない。

これは、俺の精一杯の断りのメールだった。

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