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いのちゃんの話は何回聞いても飽きない。
運命の人、うん。この響き、最高。
なんとかしてあげたいな、なんて思ってた。
『大貴さん、10番いいですか』
『10番ね…うん、行きます』
お店の10番テーブルは所謂VIP席。
防犯上とか防災上の理由だとかで個室にはなっていないけれど、仕切の少し高い高級ソファが並ぶワンテーブル。
ここで指名もらえたら最高なんだけど。
この席に座るお客様はそんな簡単で安直に相手出来る方ではない。
自然と背筋が伸びる。
鏡で身だしなみをもう一度チェックして。
『失礼します。大貴です』
『こちらへどうぞ。話に聞いていたとおり、可愛らしい子だな』
こちらへどうぞ、だなんて。お客様に言われたことないぞ。
清潔感溢れる細身のダンディなおじ様の隣にちょこんと座る。香水もつけてない…なんの人だ。
『名刺とかは渡した方がいいのかな?』
『差し支えなければ。僕は大貴です』
VIP席に通されている時点で店に素性は知れているはず。俺は、2度目があるか分からない時点での名刺交換は無理には行わない。自分のオレンジ色の名刺を控えめに差し出す。
しかしおじ様は、なんの躊躇いもなく革のケースから名刺を1枚取り出した。
『病院長…お医者様ですか?』
『私は院長だからもう現役ではないけどね。彼らはバリバリの現役だよ』
院長の手で示された先にいる2人の若者。おそらく俺と同世代。
1人は座っていても分かるスラッとした長い脚と整ったお顔立ち。
もう1人は背は高くないけれど服の上からでも分かる鍛えられた筋肉と、なにより目を見張るほどの綺麗なお顔立ち。
ダンディな院長も含め、顔面偏差値高いな。
『お医者様なんて、すごい。僕でお話の相手が努まるかな…』
『そんなこと気にしなくていい。ただ隣にいて欲しいだけなんだ』
そう言ってさり気なく俺の手を握る院長様。
ふた回り近く歳が離れたおじ様にこんなこと言われてちょっと胸キュンしてしまうなんて。
俺そろそろ末期かな…なんて思った。
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やぶありLOVE(プロフ) - 更新お願いします! (2019年9月9日 10時) (レス) id: 08447510d0 (このIDを非表示/違反報告)
ney-ko(プロフ) - Linkさん» Linkさん、コメントありがとうございます!某アニメ編、全くの手付かずで申し訳ないです...飽き性な上に思い付きで綴っていくくせに短編は苦手という不器用っぷりで。キュンとするお話書きたいです〜これからもよろしくお願いします! (2018年5月15日 18時) (レス) id: 279b6160ea (このIDを非表示/違反報告)
Link(プロフ) - ney-koさん、コメント失礼します。あちらの某アニメの作品にコメントしようと思ったらこちらを見つけてしまい、一気に引き込まれてしまいました。やぶありは初めて読みますが、キュンキュンしてます。やまいのも素敵。これからも楽しみにしてます。 (2018年5月15日 10時) (レス) id: ce80a0a1da (このIDを非表示/違反報告)
ney-ko(プロフ) - 凛さん» 凛さん、こちらにもコメントありがとうございます!凛さんのやぶありから生まれたこの妄想話でございます...楽しんで頂けたら嬉しいです。気分な更新で申し訳ないですが...これからもよろしくお願いします。 (2018年5月9日 22時) (レス) id: 279b6160ea (このIDを非表示/違反報告)
凛 - このお話とても最高です!やぶありが大好きなので楽しみにしてます!やまいのも大好きです!頑張ってください! (2018年5月9日 19時) (レス) id: 1ac15466af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ney-ko | 作成日時:2018年5月6日 22時