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ー7年前ー
大邱の田舎町。
「ユーンギっ!!」
YG『っちょ、A!あぶねーよ、突然乗っかかってくんなよ!』
12月の朝。
冬になると更に起きるのに時間がかかるユンギを起こしに来た。
起きてるくせに、絶対布団から出ようとしないから…ユンギ目掛けて布団にダイブした。
家が隣同士ということもあり、双子のように育ってきた私たち。
こんなのは日常なわけで…
町の小さな中学校に通っていたので、クラスも同じでほぼ毎日一緒にいるのが私たちにとってはごく自然なことだった。
中学に入って、バスケの得意なユンギは、顔はそこそこのくせに、急にモテだして……
よく女の子に手紙をもらったり、話しかけられている姿を目にするようになった。
それまで、ユンギが隣にいるのは当たり前。と勝手に思っていたこともあって…少しずつその変化に気付き始める自分がいた。
YG『A!今日帰りヒョクじぃんとこ行かねっ?』
ユンギのせいで遅刻ギリギリだったにも関わらず、教室に入ろうとする私の腕を引っ張って聞いてくるユンギ。
「もう、ユンギのせいでまた遅刻ギリギリなのに…何!?」
YG『カリカリすんなよ、間に合ったじゃん。で、ヒョクじぃのとこ行くの、行かねーの?』
「あ、ヒョクじぃんとこ行くッッ!!」
YG『行くなら行くってさっさと言えよな』
とブツブツ言いながら、さりげなく私の頭をポンっと叩いて教室に入っていく。
昔はなんとも思わなかった、些細なことでも、最近はちょっと意識してしまう自分がいた。
ヒョクじぃはというと…ユンギのおじいさんで、中学校の近くで小さなステージのある喫茶店をしている。そして小さい頃に私とユンギにピアノを教えてくれた人だ。
ロッカーから取り出したのは、ヒョクじぃが昔作ったという「春の日」という曲の楽譜だ。
最近練習し始めて、なかなかうまくいかないところがあったから、ちょうどヒョクじぃに会いたかったんだった。
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みく@企画垢(プロフ) - オリジナルフラグを外してくださいね (2017年7月17日 19時) (レス) id: e89ce37d74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:kinaco | 作成日時:2017年2月7日 23時