#24目黒の気持ち ページ24
目黒サイド
「あん時言えばよ…くないか」
1人、ソファーに寝転がって何もない上に手を伸ばしていても、何も変わらないことはわかっていた。
さっき言おうと思った言葉は、すぐに飲み込んでタコパから帰宅したところ。
2人に迫られているって、いや、あの、言えるわけないでしょ。
言ったとしても、困らせるだけ。
でも………
不謹慎だけど、悩んでる横顔はとても綺麗だった。
その横顔がいつでも見れるならなんだってするのに。
俺に勝ち目はない。
そりゃそうだろ。
阿部くんを断った彼女はきっともうじきふっかさんとくっつくんだろうな。
「やり切れねーな」
俺はそう呟いて、冷蔵庫から冷やしてあったビールを取り出す。
そりゃあ、俺のが後に知り合ったわけだけど。
そりゃあ、俺のがふっかさんより信用ならねえだろうけど。
そりゃあ、俺のがふっかさんよりいけてないだろうけど。
当たり前のように自分を下に考えすぎるのが嫌で、俺は勢いよくビールを開ける。
プシュッといい音を立てて開いた缶ビールをごくごく飲み干すと、頭が冷えてちょっとキンキンした。
「すき。」
告白の様子を頭に浮かべてみる。
困った顔で、彼女はきっとこう言うんだろうな。
『え?目黒っ…?』
ぐしゃっと缶ビールを手で潰す。
彼女の戸惑った声を思い浮かべるだけで、悲しくなった。
きっと第一声は「ごめん」でもなく「いいよ」でもなく。
彼女は優しいから、俺はそこに漬け込んでるんだよ。
つくづく最低だよなぁ…。
都合のいい飲み仲間?
都合のいい相談相手?
彼女のそばに入れるのならば………なーんて、
こんな綺麗事、俺には理解できない。
彼女のそばにいれても、1番美味しいポジションじゃないなら俺は嫌だ。
まあ、この先努力したって振り向いてもらえないなら
ちょっとは俺振ったこと後悔させたいなあ。なんて。
湿った風が窓から入ってきた。
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美涼 - 更新頑張ってください。 (2020年3月18日 12時) (レス) id: 1ff24063f5 (このIDを非表示/違反報告)
まどか(プロフ) - 小説面白いです!更新楽しみにしています!頑張って下さい! (2020年2月28日 23時) (レス) id: c558c0fdfb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽむりんこむ | 作成日時:2019年8月15日 21時