優杏様の生まれ変わり【犬夜叉】 (ページ21)

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XXI ページ21

「お母さん、私これからも殺生丸と旅をしようと思う。だから帰るのは数ヶ月に1回くらいになると思う。それに、もしかしたらもう2度と帰ってこれないかもしれない……」

まずそんなことはあり得ないと思うけど。でも、あそこは現代よりも断然危険な場所だから。

「そうね、でもあなたが決めたことなんでしょ？その選択をして後悔しないなら、行ってらっしゃい。気をつけてね」

お母さんは優しい表情で私を送ってくれる。多分私達のことにも気づいてるんだろうな……

「行ってきます」

私達はまるで普通に学校に行くときのように言葉を交わす。お母さんはなんでもお見通し、そして、本当に優しい。かごめと草太には言わないように言っておいた。一応ね。
私は弓矢と包帯と巫女服の替えを持った。かごめみたいにあんな格好してたら、ただでさえ殺生丸たちといると目立つのに余計に目立ってしまう。まあ、巫女が殺生丸といるっていうのもすごい目立つ気はするけど……

「殺生丸、行こ」

「ああ」

自然な流れでまた私を抱えて井戸に入り、そのまま井戸から出してくれる。傷も完治したから流石にお姫様抱っこではないけど。やっぱり、殺生丸すごく優しい。

「殺生丸様～！」

井戸から出て小屋に向かうとすぐに出てきて殺生丸の名前を呼ぶ邪見。なんか、親の帰りを待ってた子供みたい。年齢は凄そうだけど。

「殺生丸様、遅かったではないですか！ちょっと行ってすぐ帰ってくると思っていたのに！」

まあ、今はもう夜。すぐ帰ってきたとは言えないからね。

「……」

殺生丸は話す気もないようで無視している。殺生丸らしいや。

「おい叶夢、そんなにお前の国はいいところなのか？」

邪見が殺生丸が長くいたからそんなにいいところなのか気になったようで、興味津々と言うような表情で聞いてきた。

「まあお風呂にも毎日ボタン一つで入れるし、ご飯も美味しいし、妖怪いないから危険が少ないし、布団はふかふか、何するにも便利なことばっかりだしね」

そう、現代は本当に便利だ。危険が全くないとは言えないにしても、妖怪に比べれば人なんて大したことない。もちろん人を殺すわけにはいかないから、弓矢は使えないけど。

「それなら、なぜこの国に来るんだ」

殺生丸が急に口を挟む。

「私の国は何をするにしてもこの国より断然便利。だけど現代には……殺生丸がいないから」

「は？」

邪見はどう言うことだというような顔をしている。殺生丸は……微かに頬を染めていた。