甘やかしてほしい。《天祥院英智》�� ページ12
____もう少しだから。
『うぁぁぁ〜……つらい。』
自分の机に突っ伏して、腕をだらん、と脱力させる。
瞬間、バサバサーッと書類が落ちる音がした。
『つらい、寝たい、帰りたい、消えたいぃ〜…！』
よく、人から仕事を頼まれる。
理由は一貫して、「断らなさそうだから」だ。
ストレートにそう言ってくる人もいるし、「頼みやすくて」と遠回しに言ってくる人もいる。
頼みやすいって…ほとんど「断らなさそうだから」って意味じゃん。
まあ…断れないのは事実なんだけど。
『____もう少しだから。』
自分に言い聞かせるように唱える呪文。
効果なんて知らないけれど、少し楽になる言葉。
『えっと…提出は明後日だからこれは持ち帰りで〜…。あと納品の確認してから連絡して、施錠…あれ、鍵どこだ？』
ぶつぶつと呟きながら、落ちた書類を拾い集める。
そのとき、「はい。」と目の前に落としたはずの書類が差し出された。
『あ、ありがとうございます〜……って、英智お坊ちゃん!?』
「ふふ、お仕事ご苦労様。あと、お坊ちゃんはそろそろやめてほしいかな。」
私の勤め先は、天祥院財閥の子会社。
彼の顔など資料でしか見たことがなかったのだが、どうしてこんなところにいるのだろう。
「ちなみにマスターキーは持ってるよ。今日ここに来たのは新しく会社を設立するにあたって、ここの社長に相談したいことがあったからさ。」
『へ、』
「それと。別に僕は君の心が読めるとかいう能力はない。顔に全部書いてあったんだ。」
優しく微笑む英智さん。
私より地位が上とはいえ、年下の男の子に手玉にとられるとは恥ずかしい。
「それより、どうしてまだ会社に残っているの？ 社員が全員帰ったであろう時間を見計らって来たのだけど。」
『い、いやぁ…あはは。私って鈍臭くて。』
「それにしてもその書類の量……」
そう言いかけた英智さんから目線をそらし、私は立ち上がる。
私に合わせて、英智さんも立ち上がった。
『し、書類！ 拾ってくれてありがとうございました。ごめんなさい、お手を煩わせてしまって。』
ガバッと頭を下げてから、彼に微笑みかける。
隠し通さなきゃ、この子には。
私個人の問題で、会社の印象が下がったら大損失。
幸い、今日押し付けられた仕事はあまり多くないし…
「……無理、してるね。」
甘やかしてほしい。《天祥院英智》�□�←愛してほしい。《日々樹渉》��
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生しょうが(プロフ) - 錦さん» キャラとかいっぱい設定つけちゃうので、感情移入できるって言われるとすごい安心します……。べた褒め嬉しすぎるし、これからも頑張って小説書いていきますので、ずっと好きでいてください！！ (10月12日 21時) (
レス) id: 9fefad8449 (このIDを非表示/違反報告)
錦(プロフ) - リスタートの方から飛んで来ました。生しょうがさんの作品は語彙力が高いし話の構成やキャラの気持ちの表現が上手くて、読んでて感情移入が止まらない…！とても好きです…！！！ (10月10日 6時) (レス) @page23 id: 7f2cf0d803 (このIDを非表示/違反報告)
生しょうが(プロフ) - 立花さん» 自分こそあなたのコメントで癒されました好きです！！これからも頑張ります！ (2022年11月2日 0時) (レス) id: 1856a8e0e6 (このIDを非表示/違反報告)
立花 - 日々の疲れが癒されましたさすが生しょうがさんですね好きです（ノンブレス）ありがとうございます疲れどころか私の体も吹っ飛びました！最高です好きですやったあ！！！いつまでも追い続けます！！ありがとうございます〜！ (2022年11月1日 23時) (レス) @page11 id: f747a95a03 (このIDを非表示/違反報告)
生しょうが(プロフ) - 立花さん» そちらも見てくださったんですか!?ありがとうございます！リクエストも了解しました！初リクエスト頑張ります〜！ (2022年10月29日 17時) (レス) id: 1856a8e0e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：生しょうが | 作成日時：2022年10月9日 1時
