告白�� ページ42
『衣更真緒』
「……真緒先輩？」
あー！！ 何でそうやってカッコよく言えないんだ俺は！！！
目の前できょとんと首をかしげるAに、思わず言葉が詰まる。
喉の先を掠めた俺の想いは、完全に飲み込まれてしまった。
『(……カッコ悪い)あー、Aが俺に聞きたいこととかあるか!? 何でも答えるぞ、今なら！！』
「聞きたいこと？ えっと、」
困ってるじゃねーか！！！ 何してんだ俺はほんとに！！
ぐあぁっ！ っと頭を抱えていると、Aが自分の膝に額をつけながら俺を見つめてくる。
「……に、なりましたか？」
『？ 悪い、もっかい言ってくれ。』
「嫌いに、なりましたか？ ジュン先輩から、聞いて。」
声に、余裕も自信もない。
Aらしくない声音が、静かに響く。
俺は無意識にAの方へ手を伸ばした。
『なる訳ないだろ。』
「ほんと？」
『そりゃあ、何であいつの方が先に知ってるんだよ〜って、ちょっと不満はあるけど。』
それでも、俺がこいつを嫌いになる理由はない。
そもそも、『学院祭』ではAを狙って不良が学院になだれこんだりしたし。
その前から不良に狙われてたって考えれば、Aは降りかかった火の粉を払っただけだってわかる。
まあ、ちょっと過剰防衛かもしれなかったけど、それは俺が勝手に判断することじゃない。
相手が警察に届けてないなら、相手にだって後ろ暗いところがあるってことだろうから。
「そ、それは何か知らない間にっていうか、何かその……」
『わかってるよ、おまえの本意じゃなかったのは。でも悔しいんだ。漣のほうが、Aのこと知ってる感じがして。』
ああ、駄目だな。こいつの前だと、もうカッコつけらんない。
俺の情けない言葉に、Aは嬉しそうに笑った。
『……なに笑ってんだよ。』
「へへ、何か嬉しくて。」
そんなふうに笑ってくれたら、期待する。
その本音を伝えられるはずもなく、俺は照れ隠しにAの頬を引っ張った。
「いひゃい、なにするんすか、」
『……別に、何でもない。』
「なんでもないなあ、はなひてふらはい。」
『やだ。』
離してください、と言いながらも、楽しそうに笑うA。
こんな可愛いこいつを離してやる気になんて、どうせならないだろうが。
____おまえは、俺の前からすぐ消えちゃいそうだよ。
今日はよく、言葉が喉につっかえる。
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生しょうが(プロフ) - にゃーちゃんさん» うわぁぁ！更新できず申し訳ないです！！面白いだなんて照れますね…！これからも読んでくれると嬉しいです！！ (2022年12月17日 12時) (
レス) @page26 id: 9fefad8449 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - 初コメ失礼します！とても面白くて、引き込まれる様に一話から最後まで全部読んでしまいました…!!続きがとても気になります！更新頑張って下さい、楽しみにしてます！ (2022年12月14日 15時) (レス) @page25 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
生しょうが(プロフ) - 空桜さん» こ、こんな長編を一気読み…!?（大歓喜）ハマっていただけて嬉しいです！あとちょっとで投稿ペースも戻ると思うので、これからも見守っていてください…！笑 (2022年11月23日 20時) (レス) id: 1856a8e0e6 (このIDを非表示/違反報告)
空桜(プロフ) - 初めまして、更新お疲れ様です。昨日から一気読みするくらいハマってしまいました笑 イベントやスカウトを交えつつオリジナルのお話を読める作品は中々なかったので新鮮です。お知らせも読みました。ご自身のペースで無理はなさらずに頑張って下さい (2022年11月19日 21時) (レス) id: bedbd72616 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：生しょうが x他1人 | 作成日時：2022年10月29日 16時
