検索窓
今日:1 hit、昨日:7 hit、合計:338,636 hit

最強の親友《2》 ページ31

「……で?」


所々割愛しながら、ニカに『Aちゃんの部屋に帰ってくる』って、言われたことを話し終わったところで、真紀が笑いを含んだ声で発した一音。


「はい……。
合鍵、早めに返して頂きたく、お電話しました……。」

「ンハハハハ そういうことねっ!」


スマホから飛び出す大音量の笑い声。


「A、わかりやすいわー。首輪に、合鍵ぶら下げておけば、いくらニカでも、ちゃんと帰ってこられるもんね。フハハハ」

「ペットじゃないからっ!」


何故か、ニカみたいに私が言い返して、それに真紀が、また、笑った。


「いいよ。わかった。
キムチ鍋の日の前に、一度ご飯行こう。」

「えっ、うん!お願いします。」


真紀の優しい提案に、飛びつくように返事をすると、今度は、意地悪な声でからかってくる。


「ンフフ まぁ、私がニカに、合鍵渡しておいてあげてもいいんだけどねー。」

「いやっ!それは、遠慮します!」


確かに、真紀とニカが直接やり取りすることも出来るけど、そこは、やっぱり、自分で渡したいでしょ?


「冗談だって!アハハ……あ」


真紀の声が一瞬途切れて、それから、スマホの向こうの私じゃない誰かに『先に入ってて』って、声をかけた。

微かに聞こえたドアベルの音。


「あ、ごめん!待ち合わせだったの?」


見えない真紀の状況を察して、そう言うと


「ダーリンとおデートだよっ!」


って、ふざけた真紀が笑った。


「それは、失礼しましたー。じゃあ、私は、仕事に戻りますー。おデート楽しんでねー。」

「はいはい。じゃあ、またね。」

「またねー。」


電話を切って、スマホを持った手を下ろす。

自然と笑顔になっている自分に、少し恥ずかしくて、誤魔化すようにコンビニに入った。



私の親友は、やっぱり、最強。


.

どんなニカでも→←最強の親友《1》



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (415 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1150人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

りな(プロフ) - こんにちは!昨日この作品を読み始めてハマってしまいもう読み終えてしまいました!あいさんの作品大好きです!もし差し支えなければkis soulのパスワードを教えていただきたいです!20歳のにかみつ担です!  (2020年1月21日 23時) (レス) id: f006de2d90 (このIDを非表示/違反報告)
植尾あい(プロフ) - kanonさん» kanonさん!何度も読み返していただけて感激です!こんな長い作品を夜中に一気読みとは、夜更かしさせてしまいましたね……ニカsideも、何度も読み返したくなる作品になるよう、頑張ります! (2019年1月7日 17時) (レス) id: 2cc18cecc9 (このIDを非表示/違反報告)
kanon(プロフ) - 何度読み直しても2人の空間にやられます!夜中に一気に読んでぼろぼろ泣いてしまいました。ニカのワンコ力、察知能力、優しさ、言葉…彼らしさがふんだんに盛り込まれてます。ニカサイドと交互に読んであちらの続きもお待ちしてます! (2018年12月24日 2時) (レス) id: 21ebf13f97 (このIDを非表示/違反報告)
植尾あい(プロフ) - ナツさん» 読み返してもらえて嬉しいです!ありがとうございます!個人的に北山くんと二階堂くんのやり取りを書くのがとても楽しくて好きなので、ミツ担さんにも好きになってもらえて感激です!北山くんと彼女もいつか書けたらなぁと思ってます! (2018年8月4日 17時) (レス) id: 2cc18cecc9 (このIDを非表示/違反報告)
ナツ(プロフ) - 初めましてのコメント失礼致します。本当に本当に大好きな作品で事あるごとに読み返してます!あれ?私、ミツ担のはずでは!?と自分でも整理できない感情はどこへ向ければいいのでしょうか?笑個人的にはミツの彼女さんとの馴れ初めも気になります♪ (2018年8月3日 8時) (レス) id: 8a0cb53120 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:植尾あい | 作成日時:2016年6月24日 7時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。