包まれる頬 ページ30
「えっ……ニカ？」
真紀が鳴らしたはずのインターフォン。
どこで、入れ替わった？
想定外の出来事に、ニカの顔を見たままフリーズ。
「ﾌﾌｯ…Aちゃんっ！コレっ、ありがとうっ！」
フリーズした私にはお構いなしに、ニカは、後ろに隠していた両手を私の目の前に差し出した。
「あっ…ソレっ！」
差し出された手には、私がプレゼントした手袋がはめられていた。
想像以上にピッタリの手袋と、喜んでくれたニカの笑顔に私も笑顔になる。
「見て。ピッタリ。すごいね、Aちゃん。オレの手のサイズ知ってたの？ﾝﾌｯ」
「本当にピッタリだね。よかった。すごく似合うよ。さすが、私のセンス。」
「うわっ、自分誉めた。」
いつもの私たち。
からかい合って、笑い合って。
互いの距離を上手く保つ。
保たれた距離は、この上なく居心地がいいけど、この気持ちを恋だと認めた私は、もう少しだけニカのそばに行きたい。
「……… 暖かい？」
私のあげた手袋が、ニカの手を包んで、その手を暖めることができるなら、その瞬間だけは、私のものだよね。
ニカと目が合うと優しく微笑んだニカが、手袋をはめた手をゆっくりと私に近づけた。
「……… 暖かいよ。」
そう言うと、私の頬を両手で包み込むように触れた。
ニット部分のふわふわした感触と少しのレザーの肌触り。
そして、その向こうのニカの手の温もり。
「ん……よかった。」
ニカの手に包まれたままそう言うと、右頬に触れたままのニカの手に自分の手を重ねた。
少しずつ、そばに行けるかな？
行ってもいいのかな？
探るようにニカの顔を見上げた時、忘れかけていた親友の声が響いた。
「ちよっ…えっ！？Aっ？
……… えぇっ、ニカ？… どういうこと？」
声のする方向に二人で視線を移すと、通路に立ち尽くす真紀がパニック寸前の顔で私たちを見ていた。
「あっ…真紀、これは、あのっ、前に話した、隣の犬で…あ、違った、お隣くんで。アレ？真紀、『ニカ』って教えたっけ？」
何故か私までパニック。
「Aちゃんの友達？なんだ、今度こそオレのファンかと思った。焦った〜。」
そして、ニカも軽くパニック。
「あぁ〜…『ニカ』は、前に聞いた。」
「そうだっけ…。」
「そう。」
まずは、サクッと私の疑問に答えた真紀は、次にニカに指差すと、
「ニカのファンでは、ないっ！」
そう、言い放った。
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植尾あい(プロフ) - ちいさん» 生き甲斐だなんてっ！感激です。『欲張り』のあのシーンは、書き始めた時から、絶対に書く！と、決まってたシーンなので気に入って貰えて嬉しいです！仔犬感と大人感のバランス、うまくとりながら、日々、妄想に励みますっ(笑) (2015年3月2日 11時) (
レス) id: dd156b7728 (このIDを非表示/違反報告)
ちい(プロフ) - 作者様の作品を読むのが最近わたしの生き甲斐レベルです（ ; ; ）もう仔犬なのか立派な男なのかわからない魅力的すぎる隣人ニカちゃんに毎日萌えています//私も欲張りのあのシーンたまらなく好きです！溢れ出す妄想、これからも楽しみに読ませていただきますね！ (2015年3月2日 2時) (レス) id: 7ce2ec877c (このIDを非表示/違反報告)
植尾あい(プロフ) - aiMyuさん» 通勤のお供になれて光栄です！私的に朝が都合よくて、朝更新してますが…そうですか、不審者(笑)これは、大人な展開は、避けた方がよさそうですね。朝からねぇﾌﾌｯ。帰宅後に読み返して貰えるなんて！ありがとう。これからもよろしくお願いします！ (2015年2月26日 20時) (レス) id: dd156b7728 (このIDを非表示/違反報告)
aiMyu(プロフ) - コメ返しwwあの、あいさんて朝更新してるじゃないですか？私、通勤中に読むんですよね。毎朝、電車内でフゥーって息吐きながら、ニヤニヤしちゃって…私、完全に不審者ですwwそして帰宅してから読み返す♪♪本当に尊敬してます☆ (2015年2月26日 15時) (レス) id: 81939e753e (このIDを非表示/違反報告)
植尾あい(プロフ) - キスマイさん» ハイハイ♪いらっしゃーい(笑)自分でももどかしくなりながら書いてます。でも、皆さんにキュンしてもらえて頑張れます！仕事バラしはねぇ……ｳﾌﾌ…お楽しみに♪いつでもお喋りしに来て下さいね♪お待ちしてまーす。 (2015年2月26日 8時) (レス) id: dd156b7728 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：植尾あい
| 作成日時：2015年1月19日 8時
