忘れかけたプレゼント ページ20
「なっ…なっ…そんなわけないでしょっ!」
撒き散らしたビールを拭きながら、全否定。
「アハハハハハッ。ごめんごめん。」
完全にからかわれた……。
「やめてよ……もう。」
「でもさ、何とも思ってなければ、抱きしめたりしないって。」
「そうかなぁ……でもさ、ペット的な発言とかしてくるから、ちょっと違う気もするよ。」
「お隣くんも躊躇してるのかもよ。Aが踏み出せなかったみたいに。」
「何か理由があるとか…?」
自分が恋を始められずにいたのと同じ様に、ニカにも何かあるのかな…。
まだ、何も知らない私たちの関係に、少しだけ不安になる。
「んー、わかんないけど。
あっ、ごめん。旦那が帰ってきたわ。
また今度、詳しく教えてっ!じゃあね。」
「えっ……まっ…真紀?!」
ツーッ ツーッ ツーッ
まるで嵐のように、真紀との電話は、唐突に切られた。
でも、仕方ないよね。
クリスマスだもん。
テレビは、どのチャンネルもクリスマス関連のドラマに歌番組にバラエティ。
会社でも定時のチャイムと共に浮き足だって帰る若手社員。
残業しようかと思ったけど、オッサンたちの視線にいたたまれなくなって帰ることにしたものの、予定のない私は、スーパーでお総菜とビールを買って帰るだけ。
真紀だって、結婚後、初めてのクリスマスだもん。
気合い入れて選んだプレゼント、喜んでもらえるといいね…。
んっ…………?
プレゼント……。
勢いよく立ち上がると寝室へ駆け込む。
クローゼットを開ければ、そこには、渡せないと決めつけたニカへのクリスマスプレゼントが出番を待っていた。
紙袋を手に取る。
渡す?渡せる?
一瞬の迷い。
ラッピングされた手袋。
思い出す、ニカの手。
私の髪に絡まる長い指。
「見たいな。この手袋した、ニカの手。」
もしも、
この手袋をニカがしてくれたら、
その瞬間だけ、
その手を独り占めできるかな。
私の指と絡むことはなくても、
ニカの手を暖めることはできるかな。
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植尾あい(プロフ) - ちいさん» 生き甲斐だなんてっ!感激です。『欲張り』のあのシーンは、書き始めた時から、絶対に書く!と、決まってたシーンなので気に入って貰えて嬉しいです!仔犬感と大人感のバランス、うまくとりながら、日々、妄想に励みますっ(笑) (2015年3月2日 11時) (レス) id: dd156b7728 (このIDを非表示/違反報告)
ちい(プロフ) - 作者様の作品を読むのが最近わたしの生き甲斐レベルです( ; ; )もう仔犬なのか立派な男なのかわからない魅力的すぎる隣人ニカちゃんに毎日萌えています//私も欲張りのあのシーンたまらなく好きです!溢れ出す妄想、これからも楽しみに読ませていただきますね! (2015年3月2日 2時) (レス) id: 7ce2ec877c (このIDを非表示/違反報告)
植尾あい(プロフ) - aiMyuさん» 通勤のお供になれて光栄です!私的に朝が都合よくて、朝更新してますが…そうですか、不審者(笑)これは、大人な展開は、避けた方がよさそうですね。朝からねぇフフッ。帰宅後に読み返して貰えるなんて!ありがとう。これからもよろしくお願いします! (2015年2月26日 20時) (レス) id: dd156b7728 (このIDを非表示/違反報告)
aiMyu(プロフ) - コメ返しwwあの、あいさんて朝更新してるじゃないですか?私、通勤中に読むんですよね。毎朝、電車内でフゥーって息吐きながら、ニヤニヤしちゃって…私、完全に不審者ですwwそして帰宅してから読み返す♪♪本当に尊敬してます☆ (2015年2月26日 15時) (レス) id: 81939e753e (このIDを非表示/違反報告)
植尾あい(プロフ) - キスマイさん» ハイハイ♪いらっしゃーい(笑)自分でももどかしくなりながら書いてます。でも、皆さんにキュンしてもらえて頑張れます!仕事バラしはねぇ……ウフフ…お楽しみに♪いつでもお喋りしに来て下さいね♪お待ちしてまーす。 (2015年2月26日 8時) (レス) id: dd156b7728 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:植尾あい | 作成日時:2015年1月19日 8時