大人げない ページ37
元々、散らかってはいない方だけど、リビングのローテーブルに広げたままの雑誌と、ダイニングテーブルのダイレクトメールは、片付けた。
そして、急遽、二人鍋となった材料を少し多目に切っているとインターホンが鳴った。
ニカだってわかっているけど、こんな時間なので一応インターホン越しに確認。
「どちら様ですか？」
あえての他人行儀。
「俺様です。」
ニカの声。
「お引き取り下さい。」
「ウッソ！オレオレ、ニカだよ。」
「ﾌﾌｯ 待ってて。」
ちょっとからかってから玄関に向かった。
ドアを開くと、そこには、すっかりくつろぎスタイルのニカが立っていた。
そんなニカに出た言葉は、
「おかえり。」
だった。
意識した訳でもなく、狙ったり、計算したわけでもないけど、私の言葉に若干照れた様子のニカが、
「えっ…… ただいま？」
って、答えた。
それだけの事。
ちょっとした、自分のいい間違いが生んだ会話。
なのに、こんなに幸せなのは、どうしてだろう。
「はい、どうぞ。」
変な緊張で、どう続けたらいいかわからなくなって、とりあえず、部屋に入るように促した。
「はいっ。おみやげっ♪」
入ってきたニカが、持っていたビニール袋を差し出した。
「あ、ありがとう。」
思いもよらず、手土産付でやって来たニカに、意外と気が利くじゃん…なんて、思いながら、その中身を確認すると、少々お高いヨーグルトが２つ。
「これっ！大好きなヨーグルトっ！」
思わずテンション高めに声をあげてしまう、29歳。
「それはよかった。ﾝﾌｯ」
勝手にリビングのビーズクッションにすっぽりと座ってくつろぎ始めてる、24歳。
「デザートに食べよー。」
冷蔵庫にヨーグルトを入れようとすると、背後から何かを企んでるニカの声。
「そのヨーグルト貰い物なんだけどね。」
「やっぱり。ニカにしては、オシャレすぎると思った。」
「ひどっ。」
「貰い物でもいいよ。美味しいから。」
「でも、ギリッギリ………」
そこで、何故か笑いをこらえて言葉を止めて私を見る。
嫌な予感…。
「ギリッギリ……何？」
巨大クッションにいい感じに埋まったままのニカが、ニヤリと笑ったかと思うと言葉を続けた。
「ギリッギリアウトだから、賞味期限！」
そして、やってやったと言わんばかりのばか笑い。
「ちょっとぉ〜！」
マジでキレそうになる、大人げない29歳。
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ふるみ♪ - ニカは私のすべて〜☆にかが主人公ということでこの小説よんだら面白い！じゃないか！これからもこれ読み続けたい！ (2016年7月29日 21時) (
レス) id: 2271a2e46e (このIDを非表示/違反報告)
植尾あい(プロフ) - えりPさん» ありがとうございます(*^_^*)二階堂くんの雰囲気でてますか？よかったー。私の頭の中の妄想二階堂くんなので、願望てんこ盛りですが、えりPさんの癒しになれていたら嬉しいです。 (2016年4月16日 22時) (レス) id: 2cc18cecc9 (このIDを非表示/違反報告)
えりP(プロフ) - あいさん♪♪作品素晴らしいです！ニカの声や表情がにニカらしくて、すごく引き込まれています。ニカからの優しいハグに涙が溢れてきました。引き続き、ニカの世界を楽しませていただきますね。 (2016年4月14日 12時) (レス) id: 55468976ba (このIDを非表示/違反報告)
植尾あい(プロフ) - えりPさん» はじめまして(*^_^*)最初から読んでいただけるなんて感激です！ありがとうございます。パスワード作品については、メッセージで送らせていただきますので、ご確認ください。これからも、よろしくお願いします。 (2016年4月11日 22時) (レス) id: 2cc18cecc9 (このIDを非表示/違反報告)
えりP(プロフ) - あいさん、はじめまして。えりＰと申します。hiyoちゃんの紹介で、これから読むのをとっても楽しみにしています。承認よろしくお願いします。 (2016年4月11日 9時) (レス) id: 55468976ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：植尾あい
| 作成日時：2014年12月23日 18時
