心の準備 ページ36
「とりあえず……。」
足下に置いたビニール袋を持ち上げながら、頭の中で料理のシュミレーションをしてみる。
「何か手伝おうかっ。」
やる気満々、食べる気満々のニカ。
「いや、いいわ。
余計な時間がかかりそうだし…。」
「ひどっ！」
「美味しいご飯食べたいなら、手伝わないで。」
「うわぁ〜。さらにヒドイ…。」
大げさに項垂れるニカと、こんな会話に癒されてる私って、もしや、Ｓ！？
今更ながら気がついたりして。
「下準備したり、私も着替えたりしたいから、30分後に来て。いい？」
たいした準備はないけど、部屋もちょっと片付けたいしね。
いくらペットとご主人様の関係とはいえ、見られたくないものもあるしね。
「了解です！」
敬礼のポーズでよい返事。
「じゃっ！」
今度は、鍵を落とすことなくドアを開けて、２つ並んだドアへ、それぞれ入っていった。
――― パタン
「よしっ！」
ドアが閉まると、一人で気合いを入れて、キッチンへ食材を運ぶと、寝室へ駆け込む。
いつもなら、暖かさ重視のダッサイ部屋着に着替えるところだけど、クローゼットをひっくり返して探しだしたのは、しばらく出番のなかったオシャレ部屋着。
「ニカだけどね、一応ね。」
一人言で自分に言い聞かせながら、袖を通すと、大分前に使っていた柔軟剤の香りがした。
懐かしくて、切ない香り。
その香りに胸の奥がギュッとなって、一瞬苦しかった。
「…… 準備準備っ。」
勢いをつけて立ち上がると、久しぶりのマキシ丈スカートに自分で躓く。
「ﾌｯ 何やってんだろう…私。」
急に自分が客観的に見えて、オシャレしようとしたり、部屋片付けたり、まるで恋してる気分に恥ずかしくなる。
ニカは、そんなんじゃない。
仔犬、仔犬、可愛い仔犬。
また、あの暗示を掛けて、今度は、足元を確認してから、ゆっくり立ち上がった。
「エサの準備。」
寝室のドアをきっちりと閉めて、キッチンへ入った。
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ふるみ♪ - ニカは私のすべて〜☆にかが主人公ということでこの小説よんだら面白い！じゃないか！これからもこれ読み続けたい！ (2016年7月29日 21時) (
レス) id: 2271a2e46e (このIDを非表示/違反報告)
植尾あい(プロフ) - えりPさん» ありがとうございます(*^_^*)二階堂くんの雰囲気でてますか？よかったー。私の頭の中の妄想二階堂くんなので、願望てんこ盛りですが、えりPさんの癒しになれていたら嬉しいです。 (2016年4月16日 22時) (レス) id: 2cc18cecc9 (このIDを非表示/違反報告)
えりP(プロフ) - あいさん♪♪作品素晴らしいです！ニカの声や表情がにニカらしくて、すごく引き込まれています。ニカからの優しいハグに涙が溢れてきました。引き続き、ニカの世界を楽しませていただきますね。 (2016年4月14日 12時) (レス) id: 55468976ba (このIDを非表示/違反報告)
植尾あい(プロフ) - えりPさん» はじめまして(*^_^*)最初から読んでいただけるなんて感激です！ありがとうございます。パスワード作品については、メッセージで送らせていただきますので、ご確認ください。これからも、よろしくお願いします。 (2016年4月11日 22時) (レス) id: 2cc18cecc9 (このIDを非表示/違反報告)
えりP(プロフ) - あいさん、はじめまして。えりＰと申します。hiyoちゃんの紹介で、これから読むのをとっても楽しみにしています。承認よろしくお願いします。 (2016年4月11日 9時) (レス) id: 55468976ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：植尾あい
| 作成日時：2014年12月23日 18時
