私たちの関係 ページ21
冷蔵庫をチェックする。
食材は、なくはない。
「どうする？
食べてる時間は、ない感じ？
友達と食べる？」
次は、冷凍庫をチェック。
質問を続けながら、冷蔵庫の中身で作れそうなものを考えてみる。
こんな時間にガッツリ食べるのも胃もたれしそうだし…。
太りそう…。
アレコレ考えながら、ふと、仔犬の気配を感じてカウンターへと目を向けると、また、あのキラキラした目でこっちを見ていた。
「食べるの？食べないの？」
まるで、グズグズする子供に声をかけるお母さんみたい。
「食べるっ！」
まるで、子供みたいに答える。
何、この状態…。
自分以外の誰かが、自分の部屋にいる。
それだけでも緊張するはずなのに。
しかも、それが初対面の男性。
しかも、客観的に格好いい部類。
ドラマチックな展開を期待しちゃったり…。
ちょっと猫かぶりな自分になっちゃったり…。
「何作ってくれるの？」
……… 無理だわ。
もはや、猫かぶりな女子を演じられるような空気はどこにもない。
お母さんか。
飼い主か。
保たれているのは、優位な立場だけ。
立ち上がってカウンター越しにキッチンを覗き込んでくるキミに、
「おすわりっ！」
指差して言ってみたら、
「犬じゃねーしっ！」
って、膨れながらも、キチンと椅子へおすわりなキミが可愛くて。
思わず、
「お利口さん。」
実家で飼ってる犬に言うみたいな台詞が自然とこぼれた。
「だーかーらーっ！」
「焼おにぎりしよっか。ゴマ味噌風味。
友達来るまで、10分くらい時間ある？」
「あるっ！
なんなら、待たせとくっ！」
いやいや、待たせちゃダメだろ…。
心の中でツッコミ入れながら、冷凍しておいた残りご飯のおにぎりを電子レンジに放り込むと、ゴマ味噌作りにとりかかる。
カウンターの向こうから、私の作業を見ていたキミは、やっぱり、餌を待ってる仔犬みたいに見えた。
「女の子って感じだね。」
仔犬みたいって思った所だったのに。
突然の女の子発言。
やめてよ…。
もう、調子狂う。
一瞬、キミと目が合う。
私を見ている切れ長の目に、ほんの少し頬が熱くなった。
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ふるみ♪ - ニカは私のすべて〜☆にかが主人公ということでこの小説よんだら面白い！じゃないか！これからもこれ読み続けたい！ (2016年7月29日 21時) (
レス) id: 2271a2e46e (このIDを非表示/違反報告)
植尾あい(プロフ) - えりPさん» ありがとうございます(*^_^*)二階堂くんの雰囲気でてますか？よかったー。私の頭の中の妄想二階堂くんなので、願望てんこ盛りですが、えりPさんの癒しになれていたら嬉しいです。 (2016年4月16日 22時) (レス) id: 2cc18cecc9 (このIDを非表示/違反報告)
えりP(プロフ) - あいさん♪♪作品素晴らしいです！ニカの声や表情がにニカらしくて、すごく引き込まれています。ニカからの優しいハグに涙が溢れてきました。引き続き、ニカの世界を楽しませていただきますね。 (2016年4月14日 12時) (レス) id: 55468976ba (このIDを非表示/違反報告)
植尾あい(プロフ) - えりPさん» はじめまして(*^_^*)最初から読んでいただけるなんて感激です！ありがとうございます。パスワード作品については、メッセージで送らせていただきますので、ご確認ください。これからも、よろしくお願いします。 (2016年4月11日 22時) (レス) id: 2cc18cecc9 (このIDを非表示/違反報告)
えりP(プロフ) - あいさん、はじめまして。えりＰと申します。hiyoちゃんの紹介で、これから読むのをとっても楽しみにしています。承認よろしくお願いします。 (2016年4月11日 9時) (レス) id: 55468976ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：植尾あい
| 作成日時：2014年12月23日 18時
