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空っぽな心と嘘つき心#そらる ページ14

そらるside

俺の記憶は、母さんと2人きりだったところから始まっている。




別に寂しくも、ひもじくもなかった。



周りの子が、少し羨ましかったけど、俺にはそれで十分だった。




毎日が幸せだった。









でも、そんな日々が終わりを迎えるのは、思いの外早かった。






医師「残念ですが、私達には・・・もう・・・」


医師たちもお手上げだった。



母さんの病気は、末期だった。






どうすれば、助けられる?



その日から俺は医学書と名のつくものを隅から隅まで読み漁って・・・




何がなんでも助けたかった。









でも、俺は無力で。









最後に見た母さんの姿は、静かに目をつぶっていた。









たった一人の家族を失くした俺は、空っぽになっていた。





"なんで、俺じゃなかったんだろう・・・"


何度も思った。




悲しくて、辛くて、でも、どうしようもない、もどかしさに襲われる。








ただただ辛い日々だった。





その日々は、俺に間違った答えを導き出させた。









"誰かをなくすのが怖いのなら、









誰も愛さなければいい。"









スースー・・・

目の前で気持ちよさそうに寝ているのは確か・・・若橋。



まぁ、普通に起こした。








俺を見てビックリしたのか、若橋は怯えた表情をした。









話している時にコロコロと表情を変えるこいつが少し気になって。









面白いな、なんて。









だから、少しからかってみる。









「違うよ。罰を何にするか考えてただけ。」



そういうと、しょんぼりと効果音がつきそうなほど落ち込む若橋。









やっぱ、面白い。









でも、それだけ。









それだけだから。









興味なんて持っていないし、なんなら好意なんて微塵も無い。









嘘つき心に、そう言い聞かせた。









やっぱり、怖いんだ。









心に住み着いた弱虫を嘘つき心で隠して、偽りの俺を、演じるんだ。、

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作者名:のら雲 | 作成日時:2018年3月14日 2時

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